「日々をつなぐ」
タイムラグがあり過ぎて申し訳ない…と思っていたら6月29日(土)から大阪のシネ・ヌーヴォさんでも開催されるらしい、特集上映「日々をつなぐ」の初日に下高井戸シネマさんに駆けつけたら満員のお客さん。企画者の腕がいいんだろうと勝手に納得。この特集のコンセプト的なものはチラシの裏に企画のひとり井戸沼紀美さんが素敵な文章で説明してくれてるから、それを読みましょう(シネ・ヌーヴォのHPに載ってます)。
鑑賞したのはもうひとりの企画者、最近では濱口竜介監督や杉田協士監督の撮影を担当するカメラマン飯岡幸子さんが22年前に監督した『ヒノサト』(02年)。この42分のドキュメンタリーを見ても、「日の里」という土地についての説明も、繰り返し登場する油絵が実は監督のお祖父さんんも作品だということもまったくわからず、ただそこで生活してるであろう人たちのまさに「日々」の一部が映ってるだけということしか伝わらないのに、それが飯岡さんにしか撮れないバキバキに面白い映画になってるのがほんと凄い。もっと長くても多分気づかない。
続けて、これまた杉田協士監督作品や三宅唱監督作品の編集をされている大川景子監督『OASIS』(23年)。誰かもわからない男女が自転車に乗って颯爽と都会の街をすいすい駆けていき、録音技師の男が都会の音を集めている。ごちゃごちゃした東京は港区らしい場所に、ある日孵化する幼虫と謎の花と川と自転車と録音技師がいて、戦争のニュースが流れる。その同時だけど別々、最近の言葉で言うと日常のメタバースな感じ(ドキュメンタリーなのに)がワクワクおもしろかった。自転車乗れるっていいな…と久しぶりに羨ましかった。
他の上映も見に行きたかったけどこの翌日には大阪だったので通えず大変残念。タイミングが合えばヌーヴォでリベンジするで。