『フォールガイ』
今作の予告を見て「お、これは私が最近薄々感じている新時代ラブコメの予感」と思って見に行ったらまさにそうだったし、それはつまりよく出来たアクションでありコメディでもあった、デビット・リーチ監督『フォールガイ』。個人的に、この監督のビミョーなギャグセンスが嫌いじゃないのよね。今回も良かったよ。隣のおじさんとふたり大爆笑しながら見た(つまり、若い人には伝わらない笑いかも…)。今作の元らしい80年代のドラマは全然知らない。
大怪我を負い一線を退いていたスタントマンのコルトは復帰作となる現場で監督を務める元カノのジョディと再会。そんな中主演俳優トムが失踪、ジョディとの復縁を狙うコルトはトムの行方を追うが思わぬ事件に巻き込まれ、果たしてトムは見つかるのかジョディの映画は完成するのか。つまり、映画を作る映画です。コルト演じるライアン・ゴズリング、このニヤケ顔を今まで一度もかっこいいと思ったことはなかったのに、今回素直に一途な恋をする男の姿にちょっといいなと思ってしまったぜ。監督役のエミリー・ブラントもよかったけれど。
とにかくアクションに次ぐアクション、スタントマンに現実という舞台でアクションをさせスタントマンの技術にリアリティを感じさせるという新感覚、と監督のスタントマンへのラブとリスペクト(監督御自身が元スタントマンなのね!)。ライアン君も頑張ってたけど、やっぱこのクレジット映像は超胸熱。スタントマンってマジ凄い。
今回お気に入りのギャグは、めっちゃいっぱいあったけど、クスリでラリってても超強いスタントマンに見える幻覚ユニコーンと、ジャン=クロードの活躍(最後まで大事にされてるのが良い)、『マイアミ・バイス』への執着(ボートに乗るならあの海はアメリカがよかったな…)、ジョニデとアンバーの乱闘、まさかのジェイソン・モモア(ええ奴)、この辺りでしょうか。笑えるラブコメ、かなり好き。