『グランメゾン・パリ』
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2025年の目標は、本気で外反母趾をなんとかすることです。
去年末からなんだか映画を見ない日が続いて、今年に入ってようやく映画初めをするぞってことで何を見るべきか考えに考えてたら考え過ぎて辿り着いたのは、塚原あゆ子監督『グランメゾン・パリ』。塚原監督の大ヒット作『ラストマイル』は見逃している。
みなさんご存知のキムタク主演ドラマの映画化、ただ私はこのドラマ(『グランメゾン東京』)を一回も見たことがない。なので今回初めてキムタク演じる天才シェフ尾花を知ったんですけど、こいつのスーパー超絶パワハラキャラに絶句&ドン引き。機嫌一つで従業員をクビにし、周りの言葉は一切聞かない。言うべき謝罪も述べないことがすべて「不器用だから」で許される、本気で「男は黙ってサッポロビール」の世界を2025年に成立させる、キムタクが凄いのか世界が狂ってるのか…。そんなキムタクに対して長年一緒に夢を追いかけてきた仲間たちが何一つ注意せずむしろ擁護するもんだから、途中から「これは北村一輝と鈴木京香と及川ミッチーが作り上げた哀しきパワハラモンスターなのだ」と思うようにした。
それはともかく。調理のや市場のシーンに「もっと魅力的な撮りようがあるやろう」と突っ込む部分もあったが、ドラマの視聴者がターゲットなだけあってとにかく「飽きさせない」ってことに重きが置かれている脚本、次から次へと問題が起こる。料理ドラマなのに建物が爆破し、マフィアにボコられる様を見てると、だんだんと「全編パリロケでみなさんお疲れ様…」の気持ちに。そして多分ドラマファンたちには大満足の映画だとは思うので、これはこれで成功なのだろう。
しかしやで。切羽詰まった理由があるとはいえとにかくミシュラン三つ星にこだわるキムタクたち、で、まんまと星ゲットのラスト(ネタバレごめん!!!! )、これは絶対三つ星取らない方がいいでしょ。今まで散々星に執着したけど実はお客さんに美味しかったと言われることこそが料理人の喜びなのだって話にしないと、三ツ星以外のレストラン全否定みたいなことになって、あかんやろ。二つでも一つでもいい店はあるやん(逆に三つは高過ぎて行かれへんて)。
ここにきてワイズマン『至福のレストラン 三つ星トロワグロ』見逃したことが非常に悔やまれる。実際の三つ星レストランは本当にこんななのか。