1.17
『エマニュエル』
1974年の『エマニエル夫人』は未見だけどぼんやりと大人気エロ映画というイメージ、今回のオドレイ・ディワン監督『エマニュエル』はその現代版なんだろう、タイトルから「夫人」が取れたということは誰かの所有物ではなくひとりの自立した女性「エマニュエル」の物語なんだろう、とぼんやり想像しながら鑑賞、だいたい合ってました。
ホテルの品質調査の仕事をするエマニュエルは、オーナー(男)からの依頼を受け香港の高級ホテルに滞在しながらサービスなどを査察をする。骨太系美人のフランス人の彼女はクールに仕事をこなしながら、飛行機内で自分に気のある男とトイレ内でセックス、ホテルのバーで知り合ったカップルと3P、ホテルのプールに出入りする娼婦らしき現地女性とレズビアンプレイ、と淡々とエロいことをするのだが、その表情は常に冴えない。全然楽しくなさそう。じゃあなんでそんなことしてるのか、その理由は多分孤独、なのかなあ。それでも何も解消できてないことは彼女の顔を見れば明らか。
華やかな世界の中にいて、それでも常に付き纏う孤独や虚しさを紛らわすための手当たり次第のセックスってのはわからなくはないけれど、この映画の舞台が香港であることや彼女に変化をもたらす相手が謎めいた日本人?なこと、更にいうと冒頭のビジネスクラスのシュッとした男には不感だったのに香港の街中での現地の男とのセックスに悦びを感じるってのが、ちょっとわかりやす過ぎるというか、フランス美女がオリエンタルでエキゾチックなアジアで性の解放を知る的なまあまあアウトな映画に見えなくもないんじゃなないかしら。ホテル内でのナオミ・ワッツとの関係なんかは良かったんだけどね。あのホテルには一ヶ月くらい滞在したい。