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4.25

『カップルズ 4K』

16歳のうら若き映画オタクだった私は公開当時確か梅田で見たはずなのにほとんど何も覚えてなくて、今回見直してみてあまりの面白さに顎が外れた、エドワード・ヤン監督『カップルズ』(96年)。昨年『恋愛時代』(94年)を見たときには「最高!一番好き!」と大興奮したけど、いややっぱこっちかも。私は悪ガキが暴れる映画が好き過ぎる。シネマートさんの大きいスクリーンで見れてよかった。
96年台北、10代とは思えぬ4人の青年たちはレッドフィッシュの指示のもと半グレもドン引きするほどの悪事をさらっと働きながら共同生活をしている。そこにフランス人の女の子マルトが現れたことでその生活が少しずつ変化し始める。
なんかもう脚本も演出も単純だけど複雑で、乱暴だけど繊細で、自由だけど不自由で、バイオレンスだけどロマンチックで、個人的だけど社会的で、喜劇だけど悲劇で、たった2時間の映画にここまで人間のあれこれが詰まっているのがミラクル過ぎる。2年前台湾まで見にいったエドワード・ヤン回顧展もっと真面目に見とけばよかった…(会場デカ過ぎて途中で疲れて後半雑にスルーしてしまった…)。
ここに映っているのは96年の台北だけど、今見ても「96年の今が映ってる」とクラクラするし、これは侯孝賢も『憂鬱な楽園』(96年)撮るのも納得よな。すごい時代や。