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5.29

『パディントン 消えた黄金郷の秘密』

映画『パディントン』シリーズの偉大なところは「イギリス映画なのに面白い」という点だと思うのだが、今回は監督が多幸感の天才ポール・キングじゃないというのでやや不安を抱きながら、ドゥーガル・ウィルソン監督『パディントン 消えた黄金郷の秘密』を。ブラウン夫人もサリー・ホーキンスからエミリー・モーティマーに変わったのね。
相変わらずパディントンの紳士な魅力と可愛らしさ、ロンドンのブラウン一家やご近所さんたちの優しさにはほっこり。これ見るとダッフルコート着たくなる。
ペルーの老グマホームで暮らすルーシーおばさんに会いに行く道中、演出のテンポやキレがイマイチなのはまあ仕方なしと許せるレベル、アントニオ・バンデラスの登場でわちゃわちゃした大騒動になる展開はニコニコしながら見ていたのだが、今回の映画のテーマはかなりはっきりと「移民にとってのルーツ」。パディントンが初めて自分の故郷、同胞たちと対面し、すぐにお互いを認め合う姿をロンドンでパディントンを迎え入れ一緒に暮らしてきたブラウン一家が見つめるシーンはどういう展開になるのかとかなり緊張しながら見てしまった。なぜ私はクマのCGを見ながら自らのルーツを改めて考え直さねばならないのかと思いながらも、パディントンの最終的な決断に涙。今回多幸感に満ちた夢のようなシーンはないものの、この幸せに満ちた展開には大満足。ほんとパディントンは現代の良心、次回作も作ってほしい。
オリヴィア・コールマンのギターケースは笑ったし、絶妙に活躍する長男も良かったけど、やっぱりエンドロールが一番テンション上げ。見逃さないように。