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7.15

『ハルビン』

マジでこの暑さの中マメに映画見に行ってる人たち尊敬しかない。暑い暑いと家に引きこもってる間に一ヶ月の時間が流れ台風のおかげでちょっと涼しくなった隙にようやく映画館に行く気になれました。車出してもらったけど。
色々話題の新作もあるけれどさすがにこれは見ておかないとと、ウ・ミンホ監督『ハルビン』。伊藤博文を暗殺した大韓義軍の安重根を描いたサスペンス。
映画としては全体的に良いところとイマイチなところが交互に現れるもんだからサスペンスとしての緊張感がイマイチ続かずやや残念な感。日本による植民地化に抵抗する朝鮮人の話なんだから重い雰囲気なのは当たり前なんだけど、流れっぱなしの音楽や異様に重厚な撮影がいちいち大袈裟に感じるところもあったが、変に抵抗軍たちに寄り添うような甘ったるい演出をせず、単純な「反日映画」にしない距離感は良かったんじゃなかろうか。日本でも概ね好評らしいし。
それでも、冒頭日本軍とのまさに「殺し合い」を執拗に見せる(上手いか下手かはともかく)あたりで監督の気合は感じられたし、あそこで安重根が日本軍を釈放していたという史実も初めて知ったし、毒ガス拷問は恐ろし過ぎてあいつが密偵になるのもやむ無しでしょ…と思っていたからこのラストは嬉しかった。突然のヒョンビンの処刑シーン、あれはなんなんだ。
電車で簡単に朝鮮語で会話するとかせっかく手に入れた爆薬全部パーにするとかうっかりミスの多さが気になったけど、でも実際のテロってあんなもんなのかなとも思う。人間だもの。
唯一の日本人俳優、伊藤博文役のリリー・フランキーはさすがの上手さですごく良かったし、安重根の敵である森少佐を演じるパク・フンもお見事だったとは思うけど、でもやっぱりここは物語的にも日本の俳優に頑張ってほしかったなあ。なんで誰か玉山鉄二に依頼しなかったんだ。
映画の中で伊藤博文が話す、(朝鮮人の)変な力ってやつには客観的にも実感としても納得しかない。