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11.02

『ふつうの子ども』

『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の呉美保監督の新作を見逃すわけにはいかぬと、『ふつうの子ども』を見にいった。私、三半規管が相当強いのか『国宝』でも手ブレは全然気にならなかったし今作も全然大丈夫だったですね。幼少期のクルーザー経験で鍛えられたのかしら。
小学4年生のとぼけた顔した唯士くん、ふつうの家庭でふつうに学校に通ってふつうに友だちと遊ぶ、ふつうの日々。ふつうに気になる女子の心愛ちゃんと仲良くなりたくて、彼女が興味を持っている「環境問題」を勉強し、共通の話題を作るためにがんばる。
『海辺へ行く道』のときも言ったけど、最近の日本映画に出てくる子どもは往々にして大人(監督)が望む言動しかとらないつまらなさが酷いんだけど、今作の子どもたちは大人には考えられないようなバカな行動ばっかりとって、それはすごくいいと思ったんだけれど、メイン3人のキャラクターがそのキャラクターの域を出なさ過ぎかなと思わなくもなかった。だから最後の校長面談のシーンが活きるってのはわかるけど、それにしてはそこまでがちょっと長くてだんだん飽きる感じがなくもなかった。面白いんだけどね。
役者は大人も含めみんな良くて、特に担任役の風間俊介くんの絶妙に適当な感じ、そりゃあれが担任なら生徒は言うこと聞かないよな感がリアル過ぎた。
ただ、ここで悪ガキたちがやるシャレにならないイタズラ、それが親にバレるかもしれない恐怖心、親が学校に呼び出される羞恥心。個人的にあまりにも自分の体験と既視感あり過ぎて、見ててほんまに胸が痛んで痛んで…。担任の先公って自分が手に負えなくなると親呼び出せば大人しくなるって思ってんのがマジうざい。この歳になってもまだまだ大嫌い。