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11.23

『さよならはスローボールで』

特別野球好きってわけでもないけど野球映画は好きなので、カーソン・ランド監督『さよならはスローボールで』を見に行ったけど、思ってた野球映画と違った。
取り壊しの決まった町の野球場でラストゲームをするべく集まった草野球チームの面々。メンバーは全員見るからにうだつの上がらなそうなアメリカのおっちゃんたち、スポーツマンに見えない巨体や酔っ払い。家庭の事情で途中で帰るメンバーまでいる。最後の試合だというのに本気なんだかふざけてるのかわからない試合が繰り広げられる、だけ。誰がこの映画の主役なのかもわからないし、最後だからってしんみりするわけでもないし、作品自体がスローボールみたいな映画だけど、それがまったく飽きないんだからすごい。私も缶ビール片手にヘラヘラしながら見ればよかった。でも多分お酒入ってたら泣いてしまう。
グダグダと長引いて日が暮れてすっかりボールが見えないくらいに空は暗くなって、さっさと終わらせたいけど終わってほしくない試合。でも確実に終わる試合。無職中年に染みるぜ…と思ったら監督さんはかなり若そうでビビる。
見学していたスケボー少年たちや現れては去っていくピザ屋さん(ピザの野次最高)や突然現れて数球だけ投げていく謎の凄腕おじさんなどの選手以外の人たちの絶妙な扱いの上手さと面白さや、アホのふりして(想像)ワイズマンに出演依頼する度胸、次回作も期待。