12.19
『脱出の最中』
私が何回チャレンジしても何をどう楽しめばいいのか理解できなくて挫折するのが「詩」。なので原作が詩と聞いてちょっと不安を抱きながら黒川幸則監督『脱出の最中』を見に行くも、内容的なことがさっぱり理解できなかったのは仕方なし。
海辺の小さな町の風景にどうやら姉妹らしい女性ふたりの会話が重なるが話されているのがどこかの方言なので完璧には何を言ってるかところどころ聞き取れない。そもそも彼女たちがどこにいるのかもわからない。
その後カフェや海辺に姿を現す姉妹も生きてるんだか死んでるんだかわからない謎存在、これは夢なのか現実なのか、再会なのか別れなのか、詩なのか日記なのか。または引きずられる流木、幾つもの海の表情、波打ち際をたゆたうミラーボール(かっこいい)。わからないなりに最後まで見ていると謎存在が心地よりリズムでつながって、いつの間にか面白い映画見たなあと思っているから不思議。こういうのが詩を読む楽しみと近いのかなとか思った。
黒川監督の作品はいつも軽やかだけどしっかり真面目でエモくなく、やたらとおしゃれでかっこよくて、また次も見たくなる(でもなかなか見れない…)。

