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2.20

『恋愛裁判』

最近の日本のアイドル事情にはとんと疎いのだが、深田晃司監督『恋愛裁判』を見に行った。原作ものかと思っていたらそうではないのね。
このスキャンダラスなタイトルならもっと派手にもっと過剰に作ることもできるだろうに、徹底的に地味に真面目に着実に目の前のものだけを重ねていく演出は最近のフワフワした目に見えないものばかり撮ろうとする映画に比べて全然好感が持ててさすがだなと感心しきり。
ただ、「アイドルと恋愛」という話題においてその問題の本質が人権問題であるってことは薄々みんな気付いてることだと思うから、自身の恋愛をきっかけに事務所から契約違反だと裁判を起こされた主人公が突然その言葉を選択するとき、そのこと自体に特に驚きはなく、むしろ今までそんな素振りを見せなかった若い彼女(グループを辞めさせられて尚ファンへの感謝を口にしたり、それまでは親に借金してでも賠償金を払うつもりだったり)が「自分の人権が侵されている」と気付いたきっかけが完全に省略されて、唐突にしか見えないのがだいぶ残念な感じがした。せっかく元アイドル兼現マネージャー役で唐田えりかクンが出演してたり(峯岸みなみにコメントもらってるんだし)弁護士役で中村優子がちらっと登場するなら、そのあたりの脇役だけど大人の女性と主人公のやりとりの中で「気付く」過程が描かれていれば泣いたかもしれない、ってのは私がアメリカのラブコメが好き過ぎる影響なのかもしれない。小津も好きだけれども。
ラスト、元メンバーの金髪ちゃんの告白はそれまでを見てればだいたいの人が気付くと思うしいちいちセリフにするのは野暮やろーと突っ込みたかったけどきっと大手の作品だとそういうのは無理なのだろうと勝手にお察し。