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8.15

映画の中の「笑い」について

所詮は権力に弱い人間。カンヌ映画祭出品!という文句に惹かれ、『運命じゃない人』(内田けんじ監督)を見に渋谷へ行く。混んでてびっくり。

かなり期待してスクリーンを見つめる、が…。

……ごめん、ほんまごめん。多分私が悪いねんけど、映画以前の問題にひっかかって、そこから動けず。

脚本や演出、構成が上手い!っつーのは否定しようと思わないさ。初監督作品とは思えぬスマートな映画。立派なものだと思います。

が、しかし!

『下妻物語』についての時も書いたけど、「映画の中だから」って理由で、「笑い」は「そこそこ面白い」感で許されるのか!?ギャグ映画じゃないなら、映画の中で「笑い」は真剣に考えなくていい??ノー。

映画に対しては、学校行ったり評論読んだり書いたりみなさん勉強熱心で、中途半端な輩を小馬鹿にしたりするくせに、なんなんでしょう、この「笑い」に対する失礼な態度。

例えば、映画の中で登場人物のちょっとした行動が面白く感じられるのは、その行動自体が面白いわけではなく、あくまで、その人物のキャラクターが感じられて、その映画の世界の中で起こったこととして面白いから笑うわけで。

単純に演出によって笑いとウケを狙うなら、相当なセンスと覚悟と勇気をもってくれないと。万田邦敏、高橋洋、篠崎誠監督の「刑事まつり」なんかが良い例過ぎてヤバいですね。

『運命じゃない人』は、そこが中途半端すぎて、どう反応していいか結局98分間わからず。

「キャラクターで笑わせようとしてるのか?ネタとして笑わせようとしてるのか??どっちにしても全く笑えないぞ!?」と眉間に皺を寄せまくってしまいました。そう、どっちにしても、その一つ一つが面白くなかったのです。だからちょっと怒ってみました。

つまりは、映画の中だろうとなんだろうと、単純に、笑って欲しいならそれなりに面白いこと考えろ、ってことです。中途半端なことしか出来ないなら、最初から何もしないで頂きたい。…私が笑いに貪欲すぎるのか??

あとひとつ、どーしても言いたいこと。

主人公役の中村靖日さんの肩幅の狭さ(なで肩?)は、あまりにも映画向きではなさ過ぎる。キツいです。

あと、元来困った顔ではないのに困った顔キャラを演じてるのがあまりにも無理感有りで、見てて疲れた。

ふたつでしたね。

文句が多くてごめんなさい。