美学校映画祭
人非人(←しつこい)と見せかけて、実は意外と義理深い私は、知人の撮った作品(上映時間10分)を見るためだけに、京橋まで駆けつけたりする。(全くご存じない方もいらっしゃると思いますが、映画美学校という映画学校の年に一度の映画祭が現在開催中で、それに行ったのであります。在校生や卒業生の(自主)製作した作品が、ひたすら上映される)
数年前にフィクション科の映画祭には行ったことがあるのだけれど、今回は初めてドキュメンタリー科の上映に足を運ぶ。時間の都合でほんの数本しか見れなかったのですが。が、その数本で私の頭は妙に混乱してしまいました…。なぜなら、と言う前に。
数本見た中で、知人の作品は群を抜いて面白かったです。たった10分だけど、途中でものすごくドキッとさせられて、ちょっとした『反軍No4』体験(多分本人全く無意識でしょうけど…)。丸谷肇、という監督は今後要チェックかもですよ。『人生 紙芝居』上映求む。
で、なぜなら。
知人の作品以外が、偶然なんだか今のドキュメンタリーの流行なんだかわからないけどやたらと似ていて、みんなひたすら風景や対象の「モノ」にカメラを向けて、その映像がただコラージュのように流されているのです。ナレーションや字幕はただそのモノの説明のために使われ。
流れる映像を見て、「テーマは反戦ね」くらいはわかるけれど、でも、え!?みたいな戸惑いを覚えてしまい、これがドキュメンタリー映画なのか、そもそも映画なのか、ただの私の勉強不足なのか、わからなくなってしまいました。正直、テキトーにカメラ持って外に出て目に留まったもの撮ってみました感しか私には感じられませんでした。目を引くような編集もなく。
人間を撮ればドラマがある、なんて思わないし、「モノ」を撮ることだけに徹した優れた映画も知ってます(『土くれ』とかね)。が、今回の上映作品は明らかに、ドラマもなければ優れてもなかった(ごめん)。10分だから、とか関係なく。
わざわざ高い授業料払ってドキュメンタリー映画を撮ろうと志した結果こういうものを撮ってしまうということがとても悲しいことのような気がするのですが…。単に見てないだけなのかなぁ。むむむ。