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9.27

予習!

来週から、山形国際ドキュメンタリー映画際(←クリック!)に乗り込む予定。その予習として、アテネフランセで開催中の前夜祭(?)に、99年度の大賞受賞作『不在の心象』(ヘルマン・クラル監督)を見に行く。

ヤマガタの大賞、ということで、『鉄西区』や『ヴァンダの部屋』級の、色んな意味でヘビーな映画を想像して気合いを入れていたのだが、意外にと言うかなんと言うか、軽く肩すかしを食らった気分に…。いや、面白くないとかダメとかじゃなく。

「自分史」というテーマでこんなに完成された映画を作ることはすごいと思う。フツーの人が作ったらとてもじゃないけど見れたもんじゃなくなるだろうし、10分くらいで「やめてくれ!」って叫びたくなるはず、絶対。(でも勘違いしてそういうの撮ってしまう人結構多いのよねー…)

車窓や飛行機の窓からの景色を映画の画面として成立させるのも同じく。ドキュメンタリーにおけるナレーションの使い方も同じく。この作品は立派でした。

が、自分史→家族史の先に地元ブエノスアイレスへの愛が見えたところで、それらがどう彼(監督)自身に総体的に繋がっていくのか(きたのか/くるのか)がこの作品ではよく見えなくて(表現しきれてないのか、しなかったのかは不明)それだとやっぱり「個人」という小さな世界の映画でしかなく、それに対しては観客が興味を持つにも限界があるんじゃないかと。いくら上手に撮られてても。よっぽどすごい偉人変人のモノならまた話は別でしょうけど。

まあ「家族」というテーマで、特に父の不在と両親の不仲なんてことやられると、ただ私が個人的にダメなのかもしれませんけど…。

そう考えると、私は絶対自分の家族をテーマに映画を撮ったりなんてしたくもないし出来ないし、やっても途中で確実に吐いたりするはずだから、この監督はやっぱりすごいかも。あれ?