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11.10

『世界」

ムダに3枚も現像した監督とのツーショット写真を眺めて満足していたけれど、そう言えば最新作見てない!!という事実に気付き、いそいそとジャ・ジャンクー監督の『世界』を見に銀座へ行く。

色んな評判を聞いてはいたけれど…。うーん。見てる途中からむかついてくるくらい面白かった。かなりやられた。

もう、今更「ジャ・ジャンクーの才能は、彼の故郷以外で撮られた作品によって本物だと証明された!」とか、「現代の中国(北京)という特殊な場所で映画を撮ることの意味!」だとかをいう気にはなれないし、「東京物語」の下りでのすごすぎるクローズ・アップと老夫婦のシーンで流れる音楽とか、ラストシーンの衝撃とか、言いたいことを書き出せばきりがないので割愛。(手を抜いてるわけじゃないっすよ、決して…)あ、全体的な音楽は結構好きでした。

とりあえず一言、この映画はあまりにもよく出来た女性映画だ、と言っておく。今までのジャ・ジャンクー監督作品と一番違う点もそこだと思う。

映画の中で、男は、浮気をしたりフランスに逃げたり(望まないカタチでも)盗みを働いて追放されたり、世界の外へ出て行く。一方女は愛人になってでもダンサーを続けることや、ホステスになってでも中国にい続けることしかできない。どっちが幸福なのかはわからないけど、でも、みんな外の世界に憧れている。辛いにゃー、イタいにゃー、ってことを伝える映画は他にあっても、やっぱりジャ・ジャンクーの手にかかると…。まあみなさん機会があれば一度見てみて下さい。

なぜこんな風に女性を描ける監督が日本にはいないのかしらん。

あと、日本映画との差をすごく感じるのは「貧しさ」の表現。他のアジアの国に比べて貧富の格差が少ないとは言え、確実に存在するのに、なんか日本映画の中では無視されてるよね。『子猫をお願い』と『犬猫』の最大の差はそこだと思うんですが。

それと、携帯メールの映画での表現ってのは、皆さん試行錯誤してらっしゃるようで。『世界』のは嫌いではなかったけれど。(友だちが監督本人に「なぜ今回アニメを使用したのか?」と質問したら「中国の若者にウケがいいから」という身も蓋もない返答がきたそうな…)

確かに今の若者のメール使用度を見てると、本気でサイレント映画が撮れそうだもんね。難しいはず。

今しがたパンフレットを読んで、タオ(主人公)が26歳の設定だと知ってちょっと半泣き。頼むから「姐さん」なんて呼ばないでね…。