科学映画体験
これから攻めていきたい映画ジャンルNo.1の科学映画、その世界で先日99歳で亡くなられるまで現役で活動なさってた樋口源一郎監督の特集上映「生命のスペクタクル」を見るために、neoneo坐へ足を運ぶ。実は初めて行く。実はフィガロジャポンに載っちゃう程オサレ映画館(?)。
想像以上の劇場の混雑っぷりで、スクリーンから30センチ程の距離しかない最前列しか確保出来ず、かなり苦しい体勢を強いられるも、上映された5本の映画はどれもこれもひたすら感心&感動するしか仕様のない程不思議で面白くて感動的に美しく。
そのひとつひとつの感想を書いていたら長くなり過ぎるので、とりあえず特に惹かれたものだけ手短にメモ。
噂には聞いていたが『女王蜂の神秘』、面白過ぎた。
最初、あまりに鮮明な蜂の映像に、虫嫌いとしては一瞬不安を感じるも、淡々と映像とナレーションで説明されるミツバチの社会があまりにも興味深くて見入りまくる。働き蜂、働き過ぎ。完璧に合理的な巣を作る蜂の動きには驚きなんてもんじゃなく。今まで大したヤツと思ってなくてごめんなさい蜂さん、と謝りたくなる。雄蜂、可哀相過ぎ。女王蜂に精子を提供した後、必死の抵抗にも関わらず巣から引きずり出される姿には涙…。女王蜂がその座のために戦うガチンコバトルは怖過ぎ。やっぱり女が強いのは猫の世界だけじゃなかったのねと実感…。それと、音楽可愛かった。
そして、『真正粘菌の生活史』。科学、化学に対する能力10歳児以下の私には、出てくる単語の意味への理解度ゼロやけど、ひたすら顕微鏡カメラで微速度撮影(1分1コマとか)された粘菌の姿にただただ痺れる。キレイな色と妖しい動き。言われなきゃ死ぬまで菌とは気付かないでしょう、あれは。
他には『生命の流れ』(←「赤血球らしい顔」というナレーションがウケた)『菌と植物の共生』『きのこの世界』を見た。とりあえず、一生分は「ミトコンドリア」と「VA菌根菌」という単語を聞いた。
上映後、特別に流された監督ご自身がテレビに出た際のビデオで、監督の仕事場や仕事中の映像を見て涙。90歳を超えたおじいちゃんが、睡眠3時間生活の中楽しそうに研究やら撮影をしている。何も言えない。
で、全ての上映が終わった後は、おいしいご飯(オーナー御夫妻手作り!)に舌鼓を打ちながら、岡田秀則さん司会による小林一夫&石井董久カメラマンによる、微妙に食い違う監督像についてのトークを面白く拝聴する。「主観的科学」「動的論文」、という言葉にうんうんとうなずく。が、うまく言葉で説明出来ないので、意味が分かりたい人は映画を見に行ってみましょう。
それにしても、映画は奥が深いにゃー。