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3.23

初づくし

今年初のアテネフランセで人生初のライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督体験。開場10分前に着くと、想像を遥かに越える長蛇の列。またもかなりの誤算でショック。が、客層がかなり若め&女子率高めなので許す。

無事お気に入りの席をゲットし、なんの予備知識もなく、『エフィー・ブリースト』(74年)を見る。

映画が始まってからとにかく、出てくる人物がみんな死んだ魚のような目をしながら淡々と台詞を話す映像にびっくり。死んだ目をした主人公が、終盤やっと人間らしい声をだしたかと思いきや、そのまま死んでくし…。

内容は、若い女と20歳年上の男爵の結婚と浮気と離婚をめぐる単純な物語なのだが、とにかく何かが異様。冒頭の、『GERRY』(もしくは『エリエリ・レマ・サバクタニ』)ばりの横移動の親娘の会話シーンや、繰り返される鏡越しの会話がやったらと恐ろしい。役者の顔も全員怖め(特にメイド役)。さすがはドイツ映画、と妙な納得。恐ろしい意味でも、映画的な感動の意味でも、ゾクゾクしっ放しの140分でした。おかしな映画があるもんだ。