『ブロークバック・マウンテン』
アカデミー監督賞を受賞したとは言え、公開からだいぶ経ってるしそんな混んでないでしょ、とナメてかかって水曜に『ブロークバック・マウンテン』を見に行った私がバカだったのか、劇場めちゃ混み。でも、基本30分前行動の私は余裕を持って1時間前にチケットを買っていたので難なく良い席をゲット。
撮影現場を想像するだけで大変そうでイヤになるような大自然と大量の羊(見るのも着るのも食べるのも羊大好きな私には嬉しかったけど)、かっこいいけど今イチ華のない主演俳優2人(ヒース・レジャー&ジェイク・ギンレイホール)。冒頭から30分程物語が起こる気配もなくひたすら山で生活するカウボーイを見ながら、ちょっとどうなることかと心配しかけた矢先、唐突に2人がホモセクシャルな関係へ。あまりに何の前触れもなさ過ぎて、一瞬びっくりしたけど、でも、これ以外にはないよなと納得。
その後も何かドラマが起こるわけでもなく、面白い仕掛けがあるわけでもなく、ただ主人公たちの人生と2人の関係がゆっくり進むだけなのに、途中から涙ダラダラ。2人の、肉体的な関係と精神的な繋がりのバランスがあまりにも切ない。眉毛ともみあげが濃過ぎてどうかと思うジェイク・ギレンホールの、好きな相手に向ける乙女な表情に泣かされる(たまに田中邦衛に見えるところがかなりキズ)。
なんかね、わかりやすい感動があるわけじゃないけど、狼狽えずにはいられない。そんな感じ。同じ劇場で見た『クラッシュ』との大きな違い。
アン・リー監督、最近の作品は全然見てなかったけど(『いつか晴れた日に』以来…)、こんな不思議な映画を撮る人だったんですね。
ヒース・レジャー、相変わらずかわいく、良い芝居してた(『ロード・オブ・ドッグタウン』に出てたのは気付かなかった…)。妻役で、実際にもヒースと結婚したミシェル・ウィリアムズも良かった(彼女が窓から2人を目撃するシーンで観客に笑いが起こったのは理解不能!)。
と、大変満足な映画だったのですが、大きな不満が一つ。最後まで、字幕の字体が受け入れられなかった!楷書はないでよー。