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4.11

『送還日記』!

小雨降る中、私としては驚きの、13時上映スタートの映画を見に渋谷へ。どうしても見たかった韓国のドキュメンタリー映画『送還日記』(キム・ドンウォン監督)。

見たい!と思ってたくせに、どんな内容かほとんど知らなかったことを、上映が始まってから気付く…。

物語(?)は、韓国に存在する、非転向長期囚と呼ばれる、北朝鮮からのスパイとして30年以上刑務所で捕われていた老人たちが、釈放後韓国社会の中で生活しながら北への帰還を目指す過程を捉えたもの。

いやあ、ねえ。こんな作品を見せられて、映画的にどうのこうのなんて言えない、という感じ。ごめん。監督のナレーション多過ぎ、で、色んな意味で監督素直過ぎ、とか、政治的にああだこうだとか、言おうと思えば幾つか野次は言えるけど、出てくるおじいちゃん達の顔を見てるとそんなことは本当にどうでもいいっす。個人的な泣きポイントのシーンが、あまりにも不意打ちに現れたので(しかも静止画)、ハンカチを用意する間もなく、マスカラが落ちるのを気にする間もなく、ボトボト涙を落としてしまいました。

この、めちゃくちゃ辛い体験をしてるのにやたらみんな陽気なのって、朝鮮半島の人特有なのかなあ。結構なお歳なのに自由の身になった途端結婚したりするバイタリティとか。その明るさがまた泣けまくる。

劇中、監督は出てくる老人達を「◯◯(←名前)ハラブチ」と呼んでいたのに、字幕は「◯◯先生」となっていて不思議だったのだが、最後にちゃんとオチがあって、翻訳家のニクい心遣いにも涙。

ラストのその後が気になって仕方がないのはどうしようもないのか。

この映画に対する、こういう、感動と悲しみと喜びと痛さが入り交じった感情って、私が在日だからってことが関係あるのでしょうか。多分ないと思うんですけど、ちょっと気になります。

ので、来週末まで渋谷シネラセットで、13時10分からの上映のみ!上映時間148分!しかもフィルム上映じゃない!というやや悪条件な映画ですが、興味のある方は行ってみて、感想なんか教えて頂ければこれ幸い。