『夜よ、こんにちは』
素晴らしいという評判を方々で聞いて楽しみにしていたマルコ・ベロッキオ監督の新作『夜よ、こんにちは』を見に渋谷へ。ユーロさんも駅から遠いね。
1978年、イタリアローマで実際にあった「赤い旅団」というテロリストによるモロ元首相の誘拐暗殺事件を描いた作品。だそうだが、その事件について、この映画のことを知るまでほとんど何も知らなかった私…。一応生まれる前のコトやし…、と言い訳。ついでに、ベロッキオ監督も、イタリアの巨匠と呼ばれてるわりにはあまり知らず…。これには言い訳思いつかず…。ごめん…。
「難しい政治的な物語とかだったらイヤだにゃー」と若干の不安を抱えながら見るも、いやいや、そんな心配は一切無用の面白さでした。始まって数分後からドキドキしっぱなし。
事実が元の物語なんだけれど、映画はテロリスト(主に4人)の中の唯一の若い女性(23には見えない…)のほぼ一人称で進むので小難しい感じはなし。歴史的な事実と彼女の心理の変化がサスペンスでハラハラ。映像的にも、ほぼずっとテロリストたちが一般人装って住んでる小さいアパートの一室と、元首相を監禁している隠し部屋だけが舞台なんだけど、それがまたハラハラ感に効果的でハラハラハラ。舞台が限定されまくってる映画でそのことがこんなに成功してる映画は久しぶりに見た気がする。物語が進んでいって、現実なのか空想なのか希望なのか絶望なのかゆらゆらしながら迎えるあのラストはかっこ良過ぎて痺れたっす。巨匠すごいっす。
コロコロ変わるわけではないのに、いちいちの表情が印象的な主演の女優(マヤ・サンサ)が良かったー。元首相役の役者さん(名前不明…)も泣けた。明らかに違和感ありまくりの爆音ピンク・フロイド、やたらと映画にマッチしていてかっこよかった。と、久しぶりのイタリア映画に大満足。
みなさん、オダギリジョーってまじで顔小さいですよ!