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8.14

上野にて

お昼過ぎ、数少ない友人の中でも唯一と言えるまともな社会人の友だち(27歳女性)からメールが届く→「私も昨日『ハチクロ』見たよ!意味無し!!って感じだよねー!」。……私がごちゃごちゃ言うよりこういうのが一番怖いよな、多分…。

なんてことを考えながら夕方までうだうだしてたら、なんとなく普段行かないような場所に行きたくなったので、とりあえず電車に乗って上野駅でぶらり途中下車したら、一角座で上映中の『ゲルマニウムの夜』が明日までだと書かれたポスターが改札にでかでかと貼られていたのでいそいそとそちらの方面に向かってしまう。どこに行っても結局映画見るしか能のない人間なんです、所詮私なんて。

大森立嗣監督(Puffyの由美の恋人のお兄ちゃん?)の初監督作品。花村萬月の原作は未読。映画には、なぜかなんとなく予感してたけどさ、とりあえず、間、長っ!と突っ込んでおく。こういうテンポの映画は決して嫌いではないし、明らかにセリフ間違ってるのにそれをOKテイクにしてる長回し一発撮りの意気込みは買うさ。だから、どうせやるならもっとしつこくやってくれた方が乗れた。めちゃ個人的な好みですけど。ってか、もっと初歩的に個人的に、キリスト教&男性の性に対する執着心が理解出来ず話に乗れず…。ごめん。

でも最後まで飽きずに見れたのは、主演の新井浩文の魅力。コリアン丸出しの、美形とは言い難い顔で上手いんだか下手なんだかよくわからない芝居をするんだけど、なんかいいわ。彼じゃなかったら佐藤慶(!)との懺悔のやりとりなんかは白々しくて見てられなかったはず。今どきの俳優に多い中途半端に繊細さがある怖さ(例・松田龍平)じゃなくて、ほんまに暴力的そうなところが気に入った。

それにしても、石橋連司はよくこの役引き受けたな…。そして更にそれにしても国立博物館がこの作品の上映を許可したな…。映倫通してないらしいけど、世の中には不思議な現象が起こるもんだと感心。

あ、一角座は意外とキレイでちゃんとした劇場でしたよ。屋外のトイレに虫たかりまくりなのがちと辛かったけど。