『青春☆金属バット』
朝、目が覚めたのは午前4時半。でも昨夜眠りについたのが20時半なのでモウマンタイ。いつもなら起床5分後くらいに家を飛び出す9時予約の神経内科の診察にも余裕でフルメイクで挑めた。早起きって素晴らしいですね。
その勢いに乗って、ついに熊切和嘉監督『青春☆金属バット』を見に行く。これはねー、ちょと、原作の漫画(古泉智浩)が好き過ぎて映画を見るのが怖かった&エイコ役をやれなかった悔しさ(脱ぐ覚悟は出来てたのに!)で足が遠のいてしまってたのですが、やっぱり見ないわけにはいかず。
で、いざ見てみるとそんな不安はとんだ老婆心であることが発覚。あんな、屈折した男子中学生の被害妄想の塊みたいな漫画(まあそれが面白いんですけど)がこんなに爽やかで切ない青春映画になるなんて。ストーリー自体は原作のまんまなのに。映像ってすごいですね(「悪魔だもん」のセリフがなくなったことだけが唯一の心残りか…!)。
とにかく主演の竹原ピストルが良くて、はじめは「え、バナンバ(主人公のあだ名)良い人キャラなの?」とちょっと不満になりかけたけど、見ているうちにこの人しか有り得ないと思えてくる。映画初出演でこれはずるい。
安藤政信も、さすが私が追っかけしただけの男。『キッズ・リターン』以来、どこへ行ってしまうのかと不安だった気持ちがやっと落ち着いた。久々のいい芝居。やっぱりかっこ良し。
そして坂井真紀。エイコ役に決まったと聞いた時は「絶対私の方が向いてるはず!」と1人で大騒ぎしてしまったが、そんな自分を今更反省。まさかこんないい役者さんだとは思わなんだ。バナンバを見つめる表情がだんだんいちいちたまらなく良い。足もキレイ。
聖火ランナーの中学生もいい味出し過ぎ。若松孝二のパンツ一丁姿が見れたのも嬉しかった…。
そしてもちろん、熊切監督の演出もぐっとくる。ベタやなあと思いつつも胸キュンしてしまった箇所多数。アパートの室内なんかはやっぱり上手いなあと思わせられたり。どう見ても狂ってる世界を、なんだかフツーに、愛おしいしいものとして見せてしまう熊切監督。相変わらず、男子全開(それは原作の漫画にも言える)の映画だけど、それをうっとおしく感じさせないのがよろしい。映画自体がもうちょっと明るめ(物理的に)だとなをよろし…。
あっというまに上映終了みたいなんで、お時間のある方には是非見に行ってほしいっす。