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9.29

『THE SUN』

今日は、バカでかい太鼓の音色に起こされる。目覚まし代わりにいいんですけどね。

混んでたらやだにゃーと行かずじまいになってたアレクサンドル・ソクーロフ監督の『太陽』、新宿での上映が今日までだったので急いで行く。40分前に劇場に着いたらがら空きでやや悲し。

まあ『モレク神』も『牡牛座』も見てない私に何か言う権利はないよなと思いながらも、一応ソクーロフの映画ということでそれなりに身構えて見てみたのですが、なんか、あっさりといい映画でちょっと驚き。画面の色の感じとか変な音はいつも通りのソクーロフやし、戦場シーン(CG)のイメージなんかはひええと思わせられるけど、それ以外はほんと淡々とイッセー尾形演じる昭和天皇の生活の細部を見せられてる感じで、その姿がめちゃくちゃチャーミングで、見ながら笑顔になってしまった。絶対アドリブだろうと思えるような笑えるシーン(チョコレートのやり取りとか、科学者との席の譲り合いとか)には声を出して笑い、天皇が1人で妻と息子の写真にキスするシーンや1人でダンスするシーンにはホロリと泣いてしまった。ラスト、皇后(桃井かおり)が天皇の手をとって部屋を出て行く(その前の桃井かおりの表情が素晴らしい)姿にも涙。

公式ブックが出てるくらいやねんから、ほんとはもっと映画的にやら歴史的にやら色々難しいことを考えなきゃいけない映画なんだろうとは思いつつ、私にとってはかなり幸福感に満ちた映画体験となってしまったのでした。何故この作品の日本公開を危ぶまれたのか、本当に意味がわからない。

速報速報。

杉田協士監督の『河の恋人』が多摩地方の映画祭(正式名称不明…)に入選したとのことで、11月19日に上映されるそうです。詳細、私もまだ何も知らないんですが、わかり次第報告するのでよろしこ。