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10.02

『セレブの種』

『SHE HATE ME』という原題に何が起こってどう転んだら『セレブの種』という邦題になるのか、本当に理解に苦しむところだけれど、お気に入りのスパイク・リー監督最新作ということなので一応見に行く。

上映前に「2時間20分とはえらい長いな」と思ったけれど、見てみて納得。一流企業の役員だった主人公が内部告発したことをきっかけに会社から濡れ衣を着せられて、経済的に追いつめられたところにレズビアンになった元彼女が精子提供ビジネスの話を持ちかけてきて…、というストーリーの中に、これでもかってくらい現代の資本主義社会の中に存在する問題が詰め込まれてるすごい映画。それでも全然深刻じゃなく笑える素敵な映画。

ものすごく早いテンポで進んでいく途中で、さすがに「生まれてくる子ども」に対して一切の言及がないのはなんでや?と疑問を持ちかけたところで、出産シーンを見て納得。ほんの一瞬やけど(でも2回出てくる)、ここでは子どもの権利とか人格とかじゃなく、ほんまに「生まれてくる命」として扱われてるんだと感じさせられる。故に泣ける。

で、そんな問題山積の挙げ句、結局ラストには何かが解決したわけじゃなく、ただ主人公たちの心が落ち着いたってだけやねんけど(前作『インサイド・マン』もそうか)、欲を言えば何か解決して欲しかったけど、今はこれでいいんじゃないでしょうか、と思いました。

16ミリフィルムでの撮影、ということだが、その辺あまりよくわからず…。主人公の部屋の配色(自画像?)がきれかった。モニカ・ベルッチはやっぱり美しかった。久しぶりにウディ・ハレルソンとジョン・タトゥーロが見れて嬉しかった。めちゃんこ個人的には、主人公はもうちょっと笑顔の可愛い人の方が良かったかも。

そんな、よく知らん人とセックスしてまで子どもねえ、と我が身について考えてみるも、飼い猫にこんなにソファを占領されてる時点で(下図参照)子育てには向いてないような気がしたのでしばらくは遠慮することにする。

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