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10.12

ハイバイ観賞

以前の日記でも一度登場した、知り合いの表現者の中で頑張って欲しい人トップ3に入る演出家岩井秀人氏率いる劇団ハイバイの新作「無外流津川吾郎」を見に渋谷へ向かう。20分程前に劇場に着いたらほぼ満席で焦る(自由席)。

定年退職を迎えた主人公が家族や福祉会館で出会った人たちとあーだこーだ…、と決してわかりやすく説明出来るストーリーではないのだけれど、きちんと笑える笑いを交えつつ(重要)、物語として成立してる素敵な舞台だった。舞台の構成も最早全く素人臭くなく。役者さんたちも、前に見た時より数段お芝居が良くなっていて驚く(でも役者としての岩井氏も見たかったなー)。

繰り返せばある程度の笑いが取れるギャグを1回しか使わない冷静な判断や、絶対ここが山場でしょ!と誰もが思うはずの父と息子が向き合う場面をびっくりするくらいあっさり終わらせてしまう潔さには「さすがやなあ」とニヤニヤしながら感心。ラストのとんでもなさは、まあ、個人的には全然オッケーだけど怒る人は怒るかもね…。でもそんな賭けをしてしまう姿勢も立派っちゃあ立派か(トークショーのゲストに母親を登場させるあたりと同じく)。

既に次回作が決まっていたり、ワークショップを定期的に開いていたり、新しいユニットを結成していたり、今みたいな精力的な活動を今後も強く希望。

今しがたWOWOWで来週『水没の前に』が放送されると知る。早っ。