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10.19

『西瓜』

ファンを自称しておきながら、なぜか放置プレイ状態だったツァイ・ミンリャン監督最新作『西瓜』をようやく見に行く。

112分間、最後のシーンのためだけにひたすら引っ張る。引っ張れるまで引っ張る。その間、登場人物たちにはほとんどまともなセリフもなく(限りなくゼロに近い)。ただ、台北が水不足だということとそこでは西瓜が流行っているということが伝えられ、後はAVの撮影現場で繰り広げられるセックスを見せられる。いやはや、なんでここまで極端なことしかしないかねえとうんざりしなくもないけど、でもやっぱりなんか好きと思ってしまう。別に主人公2人の愛の物語に惹かれるわけじゃなく(主人公の女性は、ツァイ監督作品らしく相変わらず可愛げがなく自分勝手で孤独過ぎて見てて疲れる)。身体とセックスと労働とお金について考えさせられることが素敵なわけでもなく。そういうわかりやすいことをわかりやすくやってしまうところが可愛くて好きなのかも、と書いてて気付く。

間に挟まれるミュージカルシーンの、アホっぽ過ぎて安っぽ過ぎるかわいさも好きですよ。西瓜柄の傘がいっぱい歩いてるなんて、ただ見てて面白いし。女装したリー・カンションもかわいい。

そしてラストシーン。多分、嘔吐する人はすると思われます。比喩とかではなく。あまりのことに私は声を出して笑ってしまったけど。

他の映画でこんな終わり方なら「監督呼んでこい!」と劇場で暴れる可能性もありそうな。でも許せてしまう、そんな映画でありました。かなり個人的趣向強めの感想。

新しくなった表参道駅のカフェを初めて利用してみる。パンは旨いし喫煙席は広いしでかなりグー。近所に欲しー。