アニメデー
忘れもしない、小学2年の時NHKの番組で生まれて初めて見て、あまりの可愛さに心打たれて以来かなりのクレイ・アニメ好きの私。「ウォレスとグルミット」だって、日本に正式に入ってくる前からイギリスやアメリカでビデオ買い漁って必死で見てたもんね!
なもんで、オーストラリア・アニメ選集を見逃すわけには行かず、フィルムセンターへ向かう。なんでもアカデミー賞のアニメ部門で受賞してる程のクレイ・アニメだそうで。期待に胸膨らむ。
が、そんな幻想をこれ以上無理!ってくらいぶち壊してくれるすごいアニメだった…。いや、とても面白かったんですけどね…。でもでも、なんでクレイ・アニメ見てわざわざこんなブルーにならなあかんの?みたいな。ジョージ秋山の「捨てがたき人々」(落ち込みたい時に読めば100%落ち込める漫画)の世界をきゃわゆい人形たちで作ってみました、みたいな。観客の中に小学生くらいの男の子がいたんだけど、いいことなのかどうか…。
アダム・エリオットという監督のクレイ・アニメ短編作品。『おじさん』(96年)『いとこ』(98年)『兄』(98年)。3つとも数分の映画だけど、いとこは知的障害だったり兄はぜんそくの発作持ちだったり。たった数分なのにラスト泣きそうになる。で、23分と比較的長めの『ハーヴィ・クランペット』(03年)。戦争中のポーランドからオーストラリアに移住してきたチック症で脳に障害のある主人公。移民として貧しい生活を送りながら色んな災難に巻き込まれ最終的には老人ホームでボケる。切ねー。でも最後のfaktsは「人生と煙草は最後まで味わえ」。3400万円かけてこんなアニメを作るなんて、素敵なことです。
その他の、『バースデイ・ボーイ』『息をとめて』『エイダ』『クラッカー・バッグ』(実写)、違う監督たちによる短編作品も色彩感覚や物語がかなりダークでブルーな感じで。コアラとオージービーフ的な牧歌的なイメージだったオーストラリア観がかなり変わった。