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11.03

『密告』と書いて「たれこみ」

チケット売り切れるの早いよフィルメックス!あほ!!

と独りごちながら、ラピュタ阿佐ヶ谷へ向かう。瀬川昌治監督特集、休日はさすがにお客さん多め。9割9分おじさん。

『密告(たれこみ)』(68年)。映画開始と同時にアップで出てくる安藤昇の、役者と分かっててもどう頑張ってもカタギに見えない面構えにドキッとしたと思ったら、その数秒後の、車が突然トンネルに入った瞬間の映像にしびれまくって、そのまま90分間しびれっ放し。めちゃくちゃ面白い喜劇を撮る人が、めちゃくちゃかっこいいハードボイルドな映画を撮るなんて。すご過ぎる、瀬川監督。

出所したてのヤクザが自分が刑務所に入るきかっけになった事件を警察に密告した相手を探す復讐劇、と言えばよくある話のようだけど、とにかくまあ色んなことがかっこE。砂利置き場でのダンプカーいっぱい対人間の抗争(殺人と死体の捨て方にまでうっとり)、霧がかった林の中で子どもを抱えながらの銃撃戦、そんな中で秘かに進んでいく無言な男女の複雑な恋愛物語。大人だ。始めは怖過ぎた安藤昇も、目のアップだけで物語が進んでいく芝居に感動。

結構お歳を召してらっしゃる瀬川監督、でも新作を撮るだとかテレビドラマを撮るだとか、素敵な噂がチラホラ。その実現を流れ星に願う。

夜は、新大久保にて美味しい韓国料理を食しながら、オンモの愛に包まれる(マジ泣けた)。「シャンプーはLUX!リンスは不要!」という教えまでご教示頂く。