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11.07

ストローブ=ユイレ×3

勉強熱心な映画好きの方々は今日は日仏学院に行かれたんでしょうけど、反抗期真っ盛りの私は敢えてアテネ・フランセへ行ったのさ(結構混んでたけど…)。ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ(今年10月9日に死去された。合掌。)監督特集。新しめの作品は幾つか見てるんだけど初期のは殆ど未見なので。

『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』(67・68年)。バッハ後期の伝記、だけど、9割演奏シーン。その演奏&演奏シーンも大変素晴らしいのだが、たまに現れる女性の姿とかお金に関する会話とかが非常にスリリングで、そのバランスに悶える。

『花婿、花嫁、そしてヒモ』(68年)は23分の短編映画。演劇の舞台が延々映されていると思いきや、突然それが現実と繋がりだす。が、物語とは無関係の、冒頭の車窓からの映像&突然流れる音楽で早々にノックアウトされる。

『オトン』(69年)。17世紀に書かれたの政治的な物語、だけど、演じている場所は思いっきり現代で、「あの皇帝があーだこーだ」とか言ってるすぐ下で車がガーガー走ってたりする。字幕が読みにくくて(白い画面に白い文字はいや…)途中でストーリーを見失うも(ごめんなさい…)、画面を眺めてるだけで「ああ今私映画見てるなあ」的快感に浸れる。幸せ。

こういう映画って、ストローブ=ユイレのスの字も聞いたことない人が見たらどんな風に感じるんだろうといつも疑問を抱くのだけれど、スの字を知ってるからと言って私に何かがわかってるわけでもなく、だから誰が見ても面白いんじゃないだろうかと思うので、みなさん一度この機会に見てみてはいかがでしょうか。ただし、絶対に途中で寝ないという自信のある方。寝てしまった!という苦情は受け付けません。