11.08
『我が戀は燃えぬ』
実は一週間前、前日朝の5時まで飲んでしまって翌日の診察すっぽかす、という大チョンボを通院7年目にして初めてやってしまったのだ。なので今日「一週間勘違いしてました♪」とお茶目な嘘をついてなんとか診てもらう。ほっと安心、したのも束の間。難病認定証がまだ届かないため検査代&薬代で2万もかかってかなりブルーになる。はあ。
江原啓之の新刊『A・NO・YO』の車内広告にクギづけになりながら地下鉄に乗って京橋に移動し、フィルムセンターへ。
溝口健二監督『我が戀は燃えぬ』(49年)。女性解放運動の先駆者である影山英子の自伝的映画、だが、出てくる男たちがあまりにもろくでなし&最低で、ひど過ぎて泣けてくる。しまいには「この女(主人公)男見る目なさ過ぎんじゃねーの」と腹さえ立ってくる(田中絹代の顔がなんかそう思わせるのよ)。ラストは、あれはハッピーなのか、一応。その後を想像するとなんかまだ色々ありそうで辛くなるけど。
映画自体は、84分にまとめられてるとは思えぬ濃度の濃さで、物語も人も動きまくってるのを必死で見てたら突然女郎部屋(なのか?あれは)の怖過ぎる画(なぜか女が逆さ吊りにされてたり布団に巻かれてたりする)刑務所のひど過ぎる仕事(女優が顔隠されて裸足ですごいことしてるの。見てみて)が出てきたりで全く油断ならない。最近のムダに長い日本映画に辟易している私には大変に満足しまくりな映画なのでした。
上映後は、映画監督井口奈己さんのトーク。映画監督溝口健二についてというより、ほんとに『我が戀は燃えぬ』について熱く語られる姿勢に納得&勝手に共感。もうちょっと長く聞きたかったっす。