11.19
『ヴィオランタ』
今年ももう東京フィルメックスの季節やねえ、ってことで、大雨の中頑張って有楽町へ行き、今年の8月6日に逝去されたダニエル・シュミット監督追悼上映に足を運ぶ。亡くなったと聞いた時すごいショックを受けてみたが、よく考えれば殆ど作品は見たことがなかったのだった。なは。
会場は思ってたより空いてたけど、思った通りの知り合い祭り。みなさん日曜の夜にご苦労さんどす。
上映前に、フィルメックスのディレクター市山尚三氏と映画監督黒沢清氏のトークショー有り。が、自分のフィルメックススケジュールの勘違いに焦ってパニくり過ぎてちゃんとお話聞けず。無念。
で、なんとか落ち着いて『ヴィオランタ』(77年)を観賞。スイスの小さな村に住むヴィオランタという女性の義理の息子やら娘やら死んだ夫やらを巡るお話、と書けばなんだか平和な感じだけど、めっちゃ怖い。めっちゃおもろい。なんじゃこりゃ。
冒頭「ボートに人乗ってたんかい!」と突っ込まずにはいられない驚きから、宿屋のおばさんの不穏な笑顔やら笑い声やら突然のダンスやら、ただ白い山が映ってるだけの映像やらにひたすら驚きまくってたら、亡霊の出現により驚いていいんやら怖がっていいんやらなんか男って可哀相と同情すればいいんやらわからなくなって1人で混乱。霊なのに普通の人にしか見えなくて更に混乱。そんなところにショッキング過ぎるラスト。陽気な音楽に包まれた結婚式が最高に恐ろしい。ひやあああ。こんな映画を撮る人が死んだなんてそりゃ大事件だわさとやっと気付いた11月なのでした。
上映後は、みなさん別の会場で上映するシュミット作品のレイトショーに向かわれたようだったが、空腹過ぎてフラフラだった私は大人しく帰宅。来週見ることにします。