11.20
『9.11-8.15 日本心中』
数日遅れですが、先日見に行った『9.11-8.15 日本心中』。人に勧められるがままに行ったので、大浦信行という監督の経歴や作品自体の内容などについても全く無知状態。ドキュメンタリー映画&145分えらい長いなーくらいの情報しか持たず。
それでも一応タイトルからなんとなく中身の想像をしてたつもりだが、うむ、想像以上の政治っぷりで、ドキュメンタリーと呼んでいいのか映画と言ってしまっていいのかという疑問を抱きそうになったけれど、作品自体は大変面白かったのでした。
針生一郎(美術評論家?)が芸術やら思想やら政治やら天皇やらについて数人の知識人(詳しくはHPとか見てね)と語り合う姿をひたすらカメラが追う。撮影中に9.11が起こってしまう。でも映画は続く。
映画の中で議論されてる話はどれも大変興味深く面白く(詳しくは映画見てね)刺激的だった。が、その中でもやはり群を抜いて惹かれたのが金芝河(キム・ジハ)という韓国の詩人。私はこの作品を見るまで名前も知らなかったけれど、こんな人が韓国に、アジアに、世界に存在したんだとちょっと感動した。世界を転換するための言葉がかっちょいい。「政治映画とか苦手~」とカマトトぶってる場合ではなく、出来るだけ多くの人が見て聞いて考えてくれればいいなあと願う。大浦監督の他の作品も見たいな。
鶴見俊輔の「韓国人の感情の持続力」という言葉が気に入った。
重信メイの出演シーンだけがなぜやたらとドラマチック仕立てなんだろうと気になった。ラストの10分は映画的には不要だった気もしないこともない…。あ、でも戦争画が船に乗って河を渡ってるのは面白かった。