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11.24

岡本喜八デー

良い天気。今日もせっせとフィルムセンターへ向かい、岡本喜八監督作品を見る。

『ああ爆弾』(64年)。出所直後のヤクザの組長と刑務所仲間の爆弾マニアが組を乗っ取った市会議員に復讐しようと奔放するお話、とまとめようと思えばまとめられるものの、始まってしばらくはあまりにぶっ飛んだ演出(こんなとんでもないことする人だなんて本当に想像してなかった…)&主演俳優(伊藤雄之助)のクド過ぎる芝居(アップとか、きついし…)にちょっと引いてしまった…。が、中盤から、演出というかただ色んなことが収集つかなくなって破綻してるだけじゃねーの?と疑ってしまいたくなる程の肝の座った悪ノリぶりが楽しくて仕方なくなってくる。なんの脈略もなく突然狂乱のダンス騒ぎだのミュージカルだのが始まって映画は大変なことに。大人のやんちゃってすごいなーと圧倒された。こんな映画が公開当時はどんな位置づけをされてたのかかなり気になる。

2本目は監督のデビュー作『結婚のすべて』(58年)。デビュー作なのに出演してる俳優が豪華で驚く。

進歩的な独身の妹と古風な既婚者の姉の結婚観の違いを巡る、なんかちょっと可愛いお話。ばんばん出てくる当時の若者の風俗が過激で面白い。ここでもみんな踊る踊る。昭和の人ってダンス好きよね。

とにかく、姉役の新珠三千代が美しくて美しくて。原節子の次に楳図かずおが好きそうな美人(もちろん妹役の雪村いづみも激かわ)。地味ーな哲学者役の上原謙は、黒ぶち眼鏡をかけようと言葉が訛っていようとエロかった。この2人の夫婦が終盤すごく素敵でさー、嘘をついたことを謝る妻に対して夫が「君が悪い時は僕も悪いんだよ」と言うセリフにはくらっときてしまったぜ(「ベルだよ」はさすがに照れくさ過ぎるけどさ…)。他にも恋愛映画として意外と素直に胸キュンしてしまう箇所数カ所有り。『ああ爆弾』とのギャップでか過ぎ。

でも私がこの映画の中で一番気に入ったのは、ヒロシという人非人な若者の彼女の登場シーン。私も一度でいいからあんな風になに食わぬ顔して踊り狂いながら帰宅してみたい。そして家族にスルーされたい。

2本とも、劇場の入り口でお客さんみんなに丁寧に挨拶している岡本監督の奥さまの姿にぐっときた。

岡本喜八、まだたった3本しか見てませんけど、こんなリズミカルな映画を撮る人とは。とにかく映画の映像やら音楽やらのリズムがすごい。それがかっこよくて決まってるから乗せられる。モダンだわ。