『ブロック・パーティー』
自称B-girlとしてはフージーズの再結成を見逃すわけにはいかないので、年末週末で浮かれた渋谷に『ブロック・パーティー』を見に行く。ミシェル・ゴンドリー監督、映画監督としては評判悪めですが(それでもジム・キャリー狂の私は支持するけどね)音楽のPVは傑作多数なのでちょっと期待。
アメリカでは超人気らしいコメディアン、デイヴ・シャペル(関係ないけどなんで黒人のコメディアンって声高いの?)が企画した「ブロック・パーティー」というラップライブのドキュメンタリー。このライブ、本当にただの道としか言えないブルックリンの一角に作られた舞台に超豪華ミュージシャンたちが出演するんだけど、それが全部デイヴの自費で行われてるそうな。しかも、彼の故郷の田舎町に住む人たちを移動費宿泊費(もちろんライブ代も)全部デイヴ負担でご招待。ライブの宣伝はデイヴ本人が車の中から拡声器を使って町を回る。アメリカって、最低なことと最高なことをする振り幅がでか過ぎるから扱いにくい。
登場するアーティスト達は殆ど黒人で、そのライブ(生演奏バンド付きのラップなんて初めて見た)や彼らへのインタビューも素敵なだけど、やっぱり、田舎町で突然招待された大学のブラスバンドの学生達(こちらも殆ど黒人)やタバコ屋のおばちゃん達が笑顔で踊ってる姿に泣かされる。これ、絶対スパイク・ジョーンズのリチャード・コウフェイのドキュメンタリー(まじで必見)みたいにライブシーンと舞台裏を別の作品にした方が面白かったと思う。良いシーンはいっぱいあるのにバランスというか編集のリズムがちとタルい。やっぱり長編には向いてないのかゴンドリー君(と呼びたくなる風貌)。
でも単純に音楽は素敵だし(ローリン・ヒルは相変わらずかっこ良過ぎるし、初めて見たエリカ・バドゥとジル・スコットにはサブイボ立った)見てるだけでこっちまで楽しくなるし、素敵な映画ではありました。アメリカのブラックジョークって実は面白いということも判明。笑えた。