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12.14

ヌーヴェルヴァーグ×2

うー、久しぶりにやってしまった、寝坊&ドタキャン。せっかく御好意のお誘いだったのに本当に申し訳ない。この借りは近々必ず返すっす。

そんな出来事でパニクッてる時に限って色んな人や用事に振り回されて更にパニクッて、夜なんとか落ち着いた隙を狙って渋谷に向かい久しぶりにシネマヴェーラへ。今回の特集は「ヌーヴェルヴァーグはもうすぐ50歳になる」。

劇場に行くとお客さんの8割くらいが女性で、それだけで感動しかけたところに、ホントに洒落っ気ゼロの地味ーな制服姿の女子高生を見かけ、おお10年前の私じゃないかと近づいてみると、彼女の読んでいた本は大島弓子の「バナナブレッドのプディング」。変なものに惑わされず、そのまますくすくといい大人になってくれと心から祈る。

で、アラン・レネ監督の『夜と霧』(55年)。ナチスのアウシュビッツ強制収容所の現在(55年当時)の映像と戦争時のニュースフィルムがモンタージュされたドキュメンタリー映画。こんなにじっくりとこの建物を見るのも初めてだし、こんなに生々しいニュースフィルムを見るのも初めてで、山のような死体や死体の顔のアップや大量に集められた女性の髪の毛などに体が震える。見る前は「32分か、えらい短いな」と思ってたけど、32分でいっぱいいっぱいになってしまった。

続いて、結婚したい男性No.1エリック・ロメール監督の『獅子座』(59年)。陽気だけど運のない主人公(40前)が、突然遺産を相続して浮かれまくった途端にその話が流れてしまってそのまま無一文果ては浮浪者…。同じ獅子座として、見てて本気で不安になるくらい悲しい星回り…。

それがさ、映画の半分以上は主人公がお金と食事を求めてひたすらパリの街を歩き回ってるだけなのにやたらめったら面白い。なんなんでしょうこれは。別にパリの街が美しく撮られてるわけでなく、途中のちょっとしたエピソードが感動的なわけでもないのに。スーツの汗染みとか底の取れた靴とか、そんなことに「さすがロメール様!」と思わずにいられない。飛行機が苦手なら本気でパリまで出向くんですけど、って誰か伝えといて下さい。