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12.26

ラスト×2

冷静に考えて、かなりの確率で今日が今年最後の映画デーとなるだろうと思われるので、悪天候に負けずに頑張ってみた。

ロリコンはとりあえず全員死ねと本気で思ってる私には、最近の日本のアニメ(ジャパニメーションっての?)は完全全否定なんだけど、今敏監督の『東京ゴッドファーザーズ』は「実写でやればよくね?!」と突っ込まずにいられないアニメっぽくなさが気に入ったので、新作の『パプリカ』も見てみたかったのだ。筒井康隆の原作は中学生くらいの頃に読んだけど内容うろ覚え。

普段とは違うアニメオタク系の客層に混じっていざ観賞、の前の予告25分はいくらなんでも長過ぎる。これはひどい。次回もこんなだったら絶対苦情言う。とイライラしながらいざ観賞。

若い女性が出てきても全然エロっぽくなかったり、前作とはうって変わって絶対にアニメでしか不可能な表現しかしてないところも面白いし、監督が「画を紹介するためのストーリー」と言う通りとにかく画が素晴らしく、見てて飽きない。多分これ以上長かったらダルくなるだろうけど丁度いい90分強。盗まれた夢に対する勧善懲悪がちょっと単純過ぎるかなとは思ったけれど、なかなか楽しめたのでした。

が、やっぱり一年の締めくくりがアニメってのはなんとなく腑に落ちないので、締めは偉大な映画作家で。暴風雨の中フィルムセンターに移動して溝口健二監督の『近松物語』(54年)。だいぶ前に見たはずが何故か記憶ほとんどなし。こんなのばっか。

経師屋の若奥さんと職人の若者が、誤解が誤解を読んで不義を疑われ、実際は何も無いのに2人で逃げてる間に運命の悪戯が…。って、かなり分かりにくい説明ですけど、要は壮絶なラブストーリー。

最初、長谷川一夫(若職人)のあまりの二枚目っぷりとキレイな身のこなしにちょっと違和感を感じるも、目の前に次々現れる怖くなるくらい美しかったり完璧だったりするシーンにただ呆然。心中のシーン、山のシーン、勿論水谷浩のセットでのシーンも素晴らしく…。思い出しただけでサブイボ。なのにいちいち音もすごくて、和楽器の音楽も自然音も聞き逃せなくて忙しい。でもやっぱりラストは溝口健二ってどこまでもSなのねと思わずにいられないブルーさ。

ラブシーンがやたら激しいことにはちょっと驚いた(抱き合ってるだけやけど)。そして香川京子に惚れ直しまくり。やっぱり女優は鼻ですね。

ああ、溝口特集明日で終わりなのに。いっぱい見逃してしまった自分が悔やんでも悔やみきれない。ううう。

上映後は柳町光男監督のトーク。監督の、『近松物語』への熱い思いと、めちゃくちゃ細かい溝口映画と廊下の関係についての講義(?)が聴けて面白かった。