BLOG

1.17

イカと決着

予告の時点で、端々から伝わる「インテリな僕(監督)がちょっと情けない映画撮っちゃいました。でも見る人が見ればインテリってばれるんだよね感(長い)」にむかついて、見る気は全くなかったのだけれど、周囲の評判があまりにもまっぷたつでちょっと興味を持ってしまったので見てしまった『イカとクジラ』。監督脚本はノア・バームバック。ウェス・アンダーソン監督『ライフアクアティック』の共同脚本書いた人ですって。

良いと言う人もいればダメと言う人もいるこの作品、私はダメでした~。なんかごめん。

あんまり意味の分からない手持ちカメラは気分が悪くなるから嫌い、という超個人的な事情はさて置き、勿論確信犯なんだろうけど登場する男たちのキャラクターがあまりにもうっとおしくて、劇中ではピンク・フロイドなんて洒落た音楽が流れてたけど私の頭の中じゃ『虹とスニーカーの頃』(チューリップ)の出だしがリピートされてたよ(男と女を親と子どもに変えても成立すると今気づいた)、という個人的な感情をさて置いても、なんだかなあ。

両親が離婚するってところから映画は始まるけど、離婚=問題、の理由が映画の中で納得できるシーンがひとつもないのがやだった。勝手に自明のこととして脚本進めんなよ、みたいな(そういう映画、ってか人間ほんと多いけど)。今更映画のネタにする程面白いかね、家族って。

行為の小ネタの連続で映画が進んでいくのも好きじゃない。ネタのセンスがまた全部今イチで、こんなならもっと面白い放送作家に考えてもらえばと思ったり。

と、こんな風に愚痴ろうと思えばまだまだ愚痴れるのは、単純に私の男&家族嫌いに端を発してることぐらいは重々承知してますが、私は悪くないもんね。こんなコントとも映画ともつかないようなモノ作る方が悪いもんね。

父親役がジェフ・ダニエル(『Mr.ダマー』のジムの相棒)とは気付かなんだ。弟役のオーウェン・クライン(フィービー・ケイツの息子)が可愛かったのが救い。

なんて、ちょっぴり荒れた気持ちを哲郎になだめてもらおうと、今日もお口直しにシネマヴェーラへ。

石井輝男監督の『決着(おとしまえ)』(67年)。哲郎の出番が少なくてやや残念も、若き日の梅宮辰夫のむっちりキラキラした容姿がやや暑苦しいも、あまりの面白さにすっかり上機嫌。

浅草を舞台にしたコテコテのヤクザ闘争、と思いきや、組と組が縄張りの取り合いで争ってるところに、何故かそこにほんまに無関係過ぎる謎の殺し屋丹波哲郎(二枚目)が現れるだけで映画の雰囲気がガラッと変わるからあら不思議。別にウケを狙ってるわけじゃないだろうけど、哲郎が出てきただけで劇場のお客さん(少なし…)の待ってましたと言わんばかりの楽しげな笑い声が響き、私も思わず拍手のひとつもしそうになった(多分しても誰も怒らなかった)。なんだか幸せな88分なのでした。

哲郎が出てこないヤクザ映画部分も、組長と手下の泣けるやりとり、ドスを振り回しておとしまえをつけるラストシーン、登場する意味がよくわからなかったけど梅宮辰夫と風俗嬢のラブシーンなど痺れポイント満載。雨降ってたから行こうか悩んだけど、見て良かったっす。

フェデラーさまはパーマをあてたのね。貴公子フェイスにはどんな髪型も良くお似合いです。