『神童』
日々是勉強、日々是感謝。代ゼミ派なもんで。今日も試写状片手に新作映画を一足お先に見せて頂く。
萩生田宏治監督の『神童』。萩生田監督、『帰郷』(05年7月)以来新作を待っていたし主演は松山ケンイチくんだしで見るのをとても楽しみにしていた作品。原作の漫画は読んだことないけど。でも、音楽を映画で描くってよく考えるとかなり無理のある行為だなと若干の不安もあり(そう考えると音楽漫画のヒットってすごいことですね。漫画からは音は伝わらないのに)。
がしかし、見てみるとそんな不安も吹き飛ぶ、ものすごく良く出来た少女の成長物語で、少女反対派の私も大満足。『帰郷』は、不安定さが残るけどでもいい映画という感じだったけれど、今作は120分間安定安心しきって見れる落ち着いた立派な映画だった。それは萩生田監督の演出力も勿論(多出するピアノの演奏シーンが全く退屈じゃなかったり)だけど、先日見た『松ヶ根乱射事件』も手掛けている脚本家向井康介氏の力もとても大きい気が。なんというか、些細な会話で物語を現実的に動かすのがとてもお上手と言うか。漫画みたいな話(あ、漫画か)だけど納得させられるパワー有り。単純に、美術とかがしっかりしてるのも見てて感心したり。
主演の2人もすごく良かった。松山ケンイチ、かわいい。かわE。Scawaiiですよ。『デスノート』の時とは真逆の純朴キャラに胸キュン。誠実なお芝居にも心打たれた。成海璃子、初めてちゃんと見たけど、地味だけど華のあるいい顔ですね(額がもう少し大きければ尚良し…)。この2人の爽やかな魅力のおかげで、大学生と中学生という微妙な年齢差に一切のロリコン臭が漂わない関係性が出来ててほんと良かった。ホッとした。故に、冒頭とラストの白いワンピースだけが悔やまれて仕方ない…。2人共ほんまにピアノ弾いてるのにはびっくりした(大部分は吹き替えでしょうけど)。
久しぶりに見た手塚理美もやたら良くて驚いた。モチのロン西島秀俊さんは相変わらず素敵だった。そして、安藤玉恵という女優さんは相当凄い人だと気づいた。あと、ハトリ・ミホ(チボ・マット)による音楽もナイス。
春公開予定だそうです。ちゃらちゃらした映画モドキじゃなく、こういう映画が普通にヒットすればいいのになあ。
それにしても、セレナの試合中の雄叫びはいくらなんでもでか過ぎる。