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1.30

シュミット日

そして結局映画へと回帰し、アテネフランセのダニエル・シュミット監督回顧特集に行く。予想通り結構混んでたけど、観客の年齢層の低さと女子率の高さ(それでも3割位だけど)に驚く。ええこっちゃ。

処女作だという『主人の蝋燭を節約するためにすべてを暗闇のなかで行うこと』(70年)。長ったらしいタイトルに反して作品は45分。ヴェネチアにあるヨーロッパ最後の召使養成学校のドキュメンタリーで、字幕は無し。

ドキュメンタリーで字幕無しって結構キツいな、と思ったが、ファーストカットの岩肌に囲まれて踊り狂う黒いマントの男の画を見てちょっと安心。その後も、インタビューシーンと思われるところで悉くその音声を遮断するためのような音楽がガンガン流れてるし。なのでひたすらスクリーンを凝視することに集中し、迷路みたいな庭で主人と召使が歩き回るシーンのしつこさに涙。

2本目は『今宵かぎりは…』(72年)。タイトルから勝手に明るく楽しい映画を想像してたら、面白いくらい裏切られる。怖い、怖いよ。

主人と召使の立場が一夜だけ逆転する宴の話、だけど、出てくる人たちはみんな死んだ魚の目。どこからか現れる芸人達の出し物を見ても死んだ魚の目。極端なリズム、美しい芝居や歌、哀しい物語と大変素晴らしい映画だったが、こんなパーティーには絶対行きたくないと思った。

ダニエル・シュミット、わかってたけど2本見ただけで異常に体力を消耗する。上映後は講演や他の作品も予定されていたがあまりの疲労にお先に失礼してそそくさと帰宅。で爆睡。

てか、いつのまに「働くおっさん劇場」がレギュラー番組に!?1回でも見逃してるのがイタ過ぎるー。

元祖の「働くおっさん人形」。松本人志が常に言ってる「笑いと哀しみの紙一重」論ここに極まれり。本気で笑えて泣けます。必見。