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1.31

『長い散歩』

以前から言ってるように食わず嫌いは好きじゃないので、奥田瑛二監督作品『長い散歩』を体験してみることにする。

でも一応水曜を選んでみたり、どうせインテリ系ちょい悪オヤジのマッチョなドリームに満ちた映画でしょと高をくくっていたのだが、意外や意外、結構普通に良い映画だったのであった。やっぱりバイアスってダメね。

幾つか「その分かりやす過ぎるセンスはどうかと思う…」と感じるところ(母親に虐待されてる幼女が天使の羽をつけてるとか)もあったけれど、単純に主人公のおじいちゃん(緒形拳)が頑張って走ってるシーンなんかに心打たれたり。実際大変だろうに、すごいね役者さんて。

よく考えればかなり都合のいい物語も、前半は緒形拳と子役の女の子(杉浦花菜)のやりとりに説得力があったのですんなり見れた。が、ただのきっかけに過ぎないだろうけど奥田瑛二本人が出てきた途端映画の締まりが悪くなって、136分はいらんやろうと思ってしまった。あの若者の存在とか今イチ意味分からんし。

しかし、虐待だの家庭崩壊だのを扱ってる映画なわりには救いがあるのかないのかよくわからない作品で、その立場がちょっと気に入ってしまいました。母親を演じる高岡早紀も良かったんじゃないでしょうか。アキレス腱が綺麗。

夜、久しぶりにフランス料理を食べて急激な胃袋の衰えを実感する。いいことなんだか悪いことなんだか。