爆音オールナイト
我が家の前の道は通学路なので、朝帰りすると登校中の中学生達の視線が痛いです。
それはさておき。
明らかに老いつつある肉体に鞭を打って久しぶりにオールナイト上映なんかに行ってみました。boidさん企画「爆音『シネマの記憶喪失』ナイト」。近頃出版された中原昌也&阿部和重氏の「シネマの記憶喪失」に関連するイベントで、映画上映の他にお2人のトークショー有り。それでもまあチケット発売時刻(上映2時間前)に行けば大丈夫だろと余裕かまして劇場に向かうと既に長蛇の列。完売ギリギリで辛うじて整理券ゲット。お客さんのほとんどが不思議な程おサレでヤングなボーイズたち。分からん、私には彼らが何を求めて何処からやってきたのかが分からん。でも盛況なことは何より。
一本目に上映された作品は、タイトルとか監督名とか不明…(私が忘れただけかも…)。ネクタイを締めた立派な白人男性達が、でっかいドラを使って黙々とノイズを作っている。不愉快極まりない、鉄を引っ掻く音を爆音で聞くのもまた乙なものでありました。
二本目は侯孝賢監督の『憂鬱な楽園』(96年)。いうまでもない大傑作、ということは勿論わかってたけれど、爆音で見るとまた全然違う魅力が現れるもので。こんなに電車や雷の音が怖い映画だとは気づいてなかった。まさか普通のおっさんのカラオケを腹に響く程の音響で聞ける日が来るとは思ってなかった。久しぶりに見たガオ・ジェはやっぱり最高。
三本目はサム・ペキンパー監督の『ガルシアの首』(74年)。初めて見たのだけれど、それが爆音というのは幸なのか不幸なのか。映画の暴走っぷりにちょっとびびったけど、大変面白かった。久しぶりに見たスローモーションにはやはり痺れた。
で、シークレット上映として当日まで作品名が隠されていた四本目は、イエジー・スコリモフスキー監督の『ザ・シャウト』。監督名も作品名も初めて聞く映画だったが、いやあ凄かった。すっごいシャウトだった。爆音とオールナイトに相応しいチョイス。あまりのシャウトに寝たくても寝れませんでした。
途中で行われたトークショーは、節分なので豆まき有り、お2人は数十分間鬼のお面を着けっ放しというサービス有り。笑えた。