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3.07

『叫』

やっとやっと黒沢清監督最新作『叫』が見れるとルンルン気分で街に出て、はたと水曜だと気付き、サービスデーだから混んでんじゃん!と軽く落ち込むも劇場に行くと大して人がいなくて複雑な気分になる。

ま、そんなことはさて置き『叫』。いやあ、噂と期待を裏切らないとんでもない映画で、笑っていいのか泣いていいのかよくわからない104分間でした。これがハリウッド式なのか(違うと思うけど)。

既に色んな人が仰ってるけど、本当に今までの黒沢監督とは別の場所に行っちゃったなあって感じで、改めて成熟だの落ち着きだのに興味のないかっこよ過ぎる方だなと惚れ惚れ&畏敬。鑑識現場や団地の部屋なんかの画でさえ前作『LOFT』ですらを大幅に上回る程ゾクゾクさせられるものだったのにも驚いた。

作品自体は、小西真奈美が画面に登場した瞬間彼女の正体(?)なんてすぐにわかるものだから物語を追うことにあまり意味はないし、葉月里緒菜が叫んだり飛んだり玄関のドア開けたりする姿に度肝抜かれながら、中途半端な丈のコートを着た役所広司が不安定に始まり不安定に終わる姿を眺めるしかないような、親切なのか不親切なのか、許されたいのか許されたくないのか、いやそんなことどっちでもええわと誰かが言ってるような。美しくてかっこよくて切ない。

それにしても、何故役所広司は髪の毛がボサボサなだけで気が狂って見えるのか。

そして、葉月里緒菜の肌の白さにはどんな細工がなされてるのか(アップになった時「こんなに美人だったのか!」と今更びっくりした)。加瀬亮は上手いけどずるいんじゃないか。伊原剛志はセリフを話す呼吸がおかしくないか?そして更に全く個人的な意見を述べさせて頂くと、オダギリジョーの役は西島秀俊の方が良かった気がする。

こんな映画を作った人が次は何を見せてくれるのかと思うと本当にどきどきする。あんまりお客さん入ってなくても、誰か、ちゃんとお金出して良いものが撮れる環境を用意しましょうね。

あ、そうそう。明日から週末にかけてまたyonjoが居候予定なので日記止まるかもです。ご了承下にゃい。