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3.11

ドリーム裁判

なんか、話題の新作見てなくね?ってことで、新宿に『ドリームガールズ』(ビル・コンドン監督)を見に行ったら、コマ劇前の広場が30代以降の男性で埋め尽くされていて本気でびっくりする。何事かと思えば『ケータイ刑事』の舞台挨拶前だそうで。ご苦労さんどす。

そんなことより『ドリームガールズ』、ある程度現実の出来事に沿ったストーリーという噂は聞いていたけど、音楽の歴史や人物名に疎い私には役に立たない情報。映画は、前半あまりに大胆に物語や時間の流れを省略する作り方にちょっと驚くも、途中でミュージカル仕立てになるのを見て、ああそういう映画なのか(物語を語ることに重きを置いていないと言うか)と納得する。「お前は自分のことばっかり考え過ぎ~」みたいな内輪喧嘩がミュージカルで始まった時は冗談なのか本気なのか焦ったけど。いくらなんでも喧嘩の歌長過ぎると思ったけど。でも良い映画だなとは思いましたけど。

とにかくまあ、ソウル好きの私には圧倒的な歌とダンスを見てるだけで満足できました。舞台のシーンを眺めてるだけで十分過ぎる程楽しい。そしてやっぱり、ジェニファー・ハドソンの熱唱に次ぐ熱唱が凄過ぎる。出演シーンではとりあえず熱唱。さすが「アメリカンアイドル」出身。あんな至近距離で愛の歌を唄い上げられたらジェイミー・フォックスじゃなくても尻尾巻いて逃げたくなるよと思ってしまった。

そしてそして、ビヨンセの美しさ。あの黒人女性独特のゴージャス感、ほんとに綺麗だった。演技も頑張っていた様に思う。あの顎のラインとお尻の形を手に入れられるならなんでもします。エディ・マーフィーは歳とったなーと思いつつ、相変わらずの芸達者っぷりに感心。

観賞後、急ぎ足でロビーにサントラを買いに行ったら売ってなかった…。販売戦略として明らかに間違ってると思うんですけど。

で、珍しく新作ハシゴで『それでもボクはやってない』(周防正行監督)。周防監督11年ぶりの新作、という言葉に今更惹かれるものもあまりないけど、それでも見ておきたい監督さん。

警察や裁判制度に対する批判や問題提示を映画という手段を使って伝えたい、という意味において、この映画がこういう作品になったことは当たり前のことだろうと思うし、これはこれでよろしいんじゃないでしょうかと思った。法律や裁判に関するお勉強をしてるような気になる説明セリフ、地味ーに進んでいく裁判風景、途中退屈になる感は拭えないけど監督の誠実さは受けとりました、みたいな。主演が加瀬亮でホンマ良かったとは思うが(これも他の人だと一時間と保たないだろうに)。身体が細すぎるのでお付き合いするのとかは遠慮したいけど、役者としては見る度に「いつのまにこんなスゴい俳優に!」と驚かされる。もたいまさこも良かった。

それにしても、拘置所や裁判所の最低な実態は殆どただの軍隊で、ほんと男がトップの組織ってこういうの好きねー、気持ち悪ー、とつくづく思った。まあ映画作りもたいがいが男組織ですけどね。

なんてね、これは全て昨日のお話。本日は二日酔いで撃沈。やっぱりヤケ酒はダメですね…。