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3.15

『パラダイス・ナウ』

夕方からの待ち合わせに時間と場所が丁度いいからという毎度適当な理由で見に行った『パラダイス・ナウ』(ハニ・アブ・アサド監督。サイトのインタビュー面白いよ)が、なんの期待もしてなかった割に面白く、嬉しかった。

イスラエルに占領されてるパレスチナに住む、ある組織に属してる青年2人が自爆テロを実行するまでの2日間の物語。日本でも見かけそうなニート風の若い男の子2人がダラダラ話したりパイプ吸ったりする行為と自爆テロという行為が同じテンションで撮られてるのが気に入った。彼らにテロを命じる組織がどうかと思う程ゆるゆるだったり。そしてまた、パレスチナの人間が殉教する心理を、歴史的とか宗教的な理由に頼らずちゃんと1人の若者の心の動きを通して物語られている説得力に感心した。途中の、主役の2人の場所と心が交錯するところとか、殉教者の娘の絡まし方とかもとても上手で。画面を見てるだけで撮影がめちゃくちゃ大変そうなのが想像出来るのもすごい。

ラストカットの、主人公の表情があまりにも映画の始まりの時のそれとは違い、正視してられない程据わってる目が本当に怖かった。

夜は、CMタレント風男性と大人の女性2人による「男厄年42歳は正当だ」説を聞き、大いに納得する。