今宵、僕妹
さすがに色んな意味で危機感を感じ始めたので自分を立て直すためにロバート・アルトマン監督の遺作『今宵、フィッツジェラルド劇場で』を見に行く。
本当に面白くて楽しくて切ない素敵な映画。途中何作か見逃しまくりのアルトマン監督ですが、こんな映画撮って死ぬなんてスゴい。かっこよ過ぎる。私もこんな遺作撮りたい。遺作デビューしようかな。
30年続いた公開ラジオ番組の最終日の物語。殆どと言っていい程お客さんの存在は映らず、舞台と舞台裏のあっちへこっちへ話とキャメラが駆け回る。リンジー・ローハン以外出演者はおばちゃんおっちゃんばっかりやし、みんなが唄う歌も古くさいものばかりなのに見てる間はずっとうっとり。もっと長くてもいいんじゃないかと思ってしまった。
久しぶりにウディ・ハレルソンが見れて嬉しいなとかL・Q・ジョーンズ泣けるなとかあったけど、司会者のおじさんの芸達者っぷりには本気で驚いた。実際に有名ラジオ番組のDJらしいけど、ずっと出ずっ張りなのに喋りも歌も上手過ぎて見てて聞いてて飽きない。他の俳優さんたちの歌も吹き替えじゃないと後で知ってびっくり。なんとなく、アメリカ映画ってすごいなと思った。
ちゃんと動いてるところを初めて見たけど、変な顔なのにリンジーが可愛くて仕方なかった。拒食症&アル中&ヤク中には見えない。唄うシーンではちょっと泣いてしまったぜ。後のバンドの人たちが終始笑顔なのにもなんか泣けた。
と、だいぶご満悦状態のまま『僕は妹に恋をする』(安藤尋監督)をレイトショーで見たのだが。
さすが安藤監督ベタなことされても気にならず見れるなとか(それでもあの歳の設定で二段ベッドはないやろと思ったけど)、やっぱり鈴木一博さんのカメラはいいなとか、大友良英さんの音楽素敵とか、榮倉奈々ちゃんきゃわいいなとか思ったんですけど、なんか退屈してしまった。全てのシーンが見事にいちいち長く、そういう映画は決して嫌いではないのだけれど、途中で「もうちょっとさっさと動かんかい!」と突っ込みたくなった。その理由は単に、主演の松本潤の魅力不足かと思われる。芝居のパターンが2つ位しかなくて全然面白くないし、この作品に大した情熱もなさそうな演技で。途中からただのラクダにしか見えなくなって困った(デビュー当時は似てるとか言われてたんですけどね)。改めて『blue』の市川実日子がいかに大きかったかを感じた。
っていうか、始まって30分位で話の展開早過ぎてびっくりして、その後なんかおもしろ事件でも起こるのかと思ってたらそうでもなくて。役者で引っ張るにはあまりにも力量不足な主演。こんなことならもっと兄妹の微妙な関係を伝えることに時間かけた方がいいんじゃないかと思いました。
気になったのは、榮倉奈々ちゃんの驚愕のスタイルの良さと親近感を覚えずにはいられない髪の多さと、小松彩夏のひどいO脚と、平岡裕太はゲイの設定なのか?など。