パリ、ゴダール
またまたまた時間と場所が丁度いいからという理由だけで『パリ、ジュテーム』なんぞ見てみる。
パリを舞台にした18人の監督によるオムニバス映画。ガス・ヴァン・サントとかコーエン兄弟とかかなり豪華な監督陣ではあるが、やっぱり一人5分程度じゃ短過ぎるよー。どの作品も「おっ」と思った瞬間終わる、みたいな感じでちょっと切なかった。個人的には諏訪敦彦監督の作品が一番良かったけど(今までの作品で一番好きかも…)。他にも幾つか素敵な作品があったはずだが監督名をうっかり忘れた…。全体的にパリが全然美しく撮られていないことに好感を持った。
久しぶりに見たスティーヴ・ブシェミの老け具合にびっくりした。マギー・ギレンホールは可愛い上にフランス語も堪能なのかとうっとりした。やっぱりジーナ・ローランズになりたいと思った。
と適当な感想を抱きつつ、夕方から新宿のphotgrapheres’ galleryにて、平倉圭さんによる「ゴダール・システム」というレクチャーに足を運ぶ。普段は、こういうインテリジェンスな香り漂う偏差値高そうな映画のイベントには極力近づかない様に生きている私ですが、今回は信頼する友人が企画したものということなので期待半分「絶対理解できひんねやろうな」的観測半分で行ってみました(不慣れな場所過ぎてどんな人たちが集まってるのかとびくびくしていたのだけれど、お客さんも平倉さんもすごく若くて、なんかシュッとした感じで、かなり予想外であった)。
内容は、「ゴダール・システム」というタイトルがつくくらいなんだから勿論ゴダールの映画に関することなんだけれど、これがまたエラい面白く、私でもいちいち理解出来るくらいわかりやすく、ユーモアもあり、18時から最終的には22時近くに終了するまで集中力を切らさずに聴ける大変有意義なものであった。大体、映画のシーンやショットや音を分割して考える(しかもめちゃくちゃ細かく)という恐ろしく時間と能力の要りそうな研究をサラッと見せてしまうのがすごい。そのお話の細かい説明は、私が今ここで2・3行にまとめられるものでなく、まとめる能力もないので割愛。ごめん。HPとか見てみて下さい。
しかし、私と2歳しか違わない方がこんなに面白いことを考えて研究している(でも本職は映画専門じゃないそうな)のかと思うとちょっと世の中に希望が持てるってなもんです。なんでも行ってみるもんですね。