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4.03

ナイアガラ蒸気船

私に欠けてるもの其の1(其の800くらいまで有り)クラッシクなアメリカ映画を見ていない、なので、今回のシネマヴェーラさんの特集「魅惑の20世紀フォックス映画の世界」はほんま有り難くて。ビデオなんかで見るもんか!と張っていた意地が無駄にならなくてなんとなく嬉しい。

こんな名作揃いだと絶対激混みだろうな~と超早めに劇場に行くも全然人がいてなくて、自分の感覚と世間との距離を感じて少し寂しくなる。

そんなことはどうでもよくて、一本目はヘンリー・ハサウェイ監督『ナイアガラ』(53年)。物語は、タイトル通りナイアガラの滝をバックに繰り広げられるサスペンス。そのドラマが面白いのは勿論なんだけど、とにかく主演のマリリン・モンローのキレイさ可愛さについ眼を奪われっ放しに。久しぶりにスクリーンで見たけどこんなに可愛かったっけ!?あの腰のライン、お尻の形、美しいおデコ、そしてなんか常に悲しそうな表情。キスをしようとシャワーを浴びようと真っ赤な口紅がびくともしない不自然さも全く気にならない。やっぱり女は7センチヒールを履くべきなのか。主演のくせに途中で死んでしまうんだけど、影とシルエットで見せるそのシーンがまたかっこよくて。ラストの船での逃亡劇も、合成とミニチュアで映画は充分興奮出来るよなと改めて確認。

二本目はジョン・フォード監督『周遊する蒸気船』(36年。さすがにちょっと混んでた)。物語は、タイトル通り周遊する蒸気船で繰り広げられる笑い有り涙有りの人情劇。が、この笑いと涙の振り幅がほんと凄くて、シーンが変わる度に本気で泣いたり笑ったりしなきゃいけなくて忙しい。完璧に面白い。「このシーンがスゴくてね!」と興奮してお伝えしたいところだが、それをすると82分間の全シーンを説明しなきゃいけなくなるので割愛。でもやっぱり牢獄での結婚式の哀しさと、ラストの予言者のおもろさとドタバタ劇の愉快さだけはメモ。散りばめられたブラックユーモアも素敵だった。そして主演のアン・シャーリーの可愛さ。最初の、警戒していた表情が信頼に変わる瞬間には鳥肌。ああ、いいもの見せて頂きました。