BLOG

4.10

『春のめざめ』他

ふと気がつけば、先週一本も新作映画見てへんやん!なんかダメな映画オタクみたいでダメじゃん!ってことで、今週は新作ウィークにする。

強風に煽られながら久しぶりにシネマアンジェリカさんへ。暫く行かない間に劇場名変わって、気の利いた2番館風になってたのね。

でも今は新作公開中、アレクサンドル・ペトロフ監督の『春のめざめ』。アニメ嫌いの私ですが、友人に猛烈に勧められたので一応見とくか位の軽い気持ちで足を運んだのが映画始まった瞬間そんななめた思いはぶっ飛ぶ。なんじゃこりゃ。

ほんま、モネ風の油絵が見事に幻想的で美し過ぎるアニメーションになって動いてるの。最初は「どーやって作ってるの!?」という衝撃で頭がいっぱいだったけど(実際普通のアニメと同じ様に一枚一枚描いてるみたいですが。しかも指で)、映画が進むうちあまりに素晴らしい映像に心奪われ見ることにいっぱいいっぱいになってしまう。女性の美しい肌と髪の質感、洗濯物が風になびく様、そしてキスシーン。本当に熱にうなされて夢見てるみたく現実と幻想を彷徨う映画、なのに、物語自体は超現実的に16歳男子のアホでマヌケな思春期の妄想系恋愛話で結構ブルーでダークだったりする。階級問題も絡んでたり。さすがロシア、ロリコン男が作って見て喜んでるような日本のアニメとはレベルが違うと感動。27分と短めの作品ですが、これは劇場で見といた方がいいかも。

で、ほんとは『春のめざめ』の前にもう一本短編アニメが上映されまして、これがまたすごかった。マイケル・デュドク・ドュ・ヴィット監督の『岸辺のふたり』(00年)。モノクロ(白黒じゃないけど)の世界に簡単な線で描かれた素っ気ない絵の、たった8分間の作品なんですが、泣かされた。参った。父親が消えた娘の人生と自転車だけで、世界に対する希望と絶望を表現しきった映画。アカデミー賞取ってるくらいだから見ても損はしないはず。DVD出てるみたいなんで機会があれば是非。個人的には猛烈に『河の恋人』がフラッシュバック。