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4.11

『バッテリー』

1年ぶりに骨粗鬆症(なんてものも患ってたんです、実は)の進行具合を調べるために骨密度の検査(大袈裟なレントゲンみたいなの)を受けたのですよ。で、病院から渡された検査着に着替える際、理解不能な程中途半端にしか閉まらない脱衣スペースのカーテンの真横で医者たち(おっさん×2)がずっとだべってんの。どーなのよこれ。しかも会話の内容が「今回の患者小さいなー」みたいな。これが噂のドクハラなのか。

そんな屈辱を受けた末検査の結果も散々で、貴女の骨は丁度60歳で底をつきますと断言される。でも全然ピンと来ず危機感が持てにゃい。

と、朝っぱらからなんだかやさぐれてしまったので爽やかな空気を求めて『バッテリー』を見に行く。滝田洋二郎監督、結構好きでして。ファミコンを持ったベンガルには泣いたクチでして。

内容とか全然知らんかったけどタイトルから野球に関する映画やろくらいは想像ついて、確かに野球少年たちの物語で、当たり前の様に野球シーンが多いのだが、なんだかぐっと来ないなーと思ってたら、ふと「私は母親のタイガース好きに乗せられてただけで、ほんまは大して野球なんか好きじゃなかった!」という事実に気付く。故に、必死で試合とかされても今イチ乗れず(野球というスポーツが映像として魅力的に見えないと言うか)、そんなシーンよりも少年たちが無邪気に遊んだり走ったりしてるシーンにぐっときたのでした。しかし、天才的な才能を持ったピッチャーが球を投げるという状況を映画的に面白く見せるなんて難しいだろうにと思ってたら、殆どのシーンで投球の瞬間球と一緒にカメラが動いてるのには驚いた。ほんまに投げまくってんやろうなーと感心(だから最後の一球の映し方には納得いかず!)。

病弱な弟を持つ天才ピッチャー君が新しく越してきた土地で仲間や母親と揉めつつ和解しつつ、というお話は大ヒットした小説が原作だそうで、見ながら「いくらなんでも出てくる人みんないいヤツ過ぎやろ」と突っ込まずにはいられなかったが(鬼コーチの人格変わるのとか早過ぎやし)、ラストの母親(天海祐希)のうなずきにはやっぱり泣かされ、岡山の景色も美しく、望み通り心が洗われたので良しとする。あ、でも、音楽があまりに大袈裟過ぎたのはなんとかして欲しかった。

主演の林遣都くん、なんか面白い顔やね。美しいのはすごくよくわかるけど、地球人に見えない。野球少年の設定なのに羨ましいくらいお肌が真っ白なのがちょっと気になった。彼とピッチャーのやりとりも良かったけど、あまり目立たない他の仲間の男の子たちの楽しそうな芝居がすごく良かった。弟役の子も可愛かったが、やっぱり子役って難しいなあと改めて思う。

菅原文太はどこまでも菅原文太で、萩原聖人はちょっと太り過ぎなんじゃないかと思った。