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5.08

シルクハットの一番星

ふう、やっと映画見れました。相変わらずのシネマヴェーラさんの鈴木則文監督特集ですけど。

『シルクハットの大親分』(70年)、見始めてから気付いたけど、緋牡丹博徒の番外編的な作品。

若山富三郎演じる親分が、ほっぺた赤く塗ってそばかす描いて着物に金のネックレスにシルクハットというふざけた風貌なのに、渋くて格好よくて本気で泣ける。映画ってすごい。

日露戦争後のヤクザと軍の入り乱れた抗争、大親分の仁義や関西ヤクザの人情に心打たれまくり。後半突然現れる藤純子の美しさにもやられまくる。やっぱり則文監督映画には人がいっぱい入り乱れて欲しいもので、冒頭の乱闘シーンで壁の穴が人のカタチだったのが嬉しかった。勿論入り乱れなくても、斬り合ったり撃ち合ったりするシーンの度に立ち回りやら武器の使い方がかっこくて見てて楽しくてにやけてしまった。あのラスト、結局親分は無事だったのかがちょっと気になる。

『トラック野郎 度胸一番星』(77年)。デコトラものの映画は工藤静香主演の『爆走!ムーンエンジェル 北へ』しか見たことないんですけど、私以外のこの映画を見てる人に会ったことないんですけど、菅原文太がこんなにキュートで面白い役者だとはほんと知らなくて見ててびっくり。普通にかわいい。愛川欽也の芝居には涙が止まらなかった。

映画は、これも勿論トラック野郎たちの乱闘シーンやトラックによるカーレースのシーンなんかがたまらないことは言わずもがななんですが、全体として先日拝見した某監督の某最新作を思い出さずにはいられない感じでした。テンションとか作風はこれっぽちも似てないんだけど、なんだかね。みなさんも両方見て感じてみて下さい。